盗っ人やん

dubrock2007-10-09


コンビニで万引きした少年を追跡した店員が、刺殺される事件がまたあった。
過去にも万引き犯を追跡した店員や店長が反撃に遭い、けがや時には命まで落とす事件があって、今ではマニュアルで「追跡はしない」としているコンビニフランチャイズ本部が大半だ。
それをいいことに、通常の買い物客同様にかごに欲しい商品を入れて、そのまま店から逃走する「かごダッシュ」なる行為が、ジャリどもの間で横行しているという。
今回の事件でも、コトの発端は「かごダッシュ」らしい。

店の損益に直結する店長ならまだしも、時給1000円ソコソコで雇われている店員が、命を失うほどに職務に忠実というのもどういうものかと思うが、目の前でジャリが未会計商品を持ち逃げとなれば、少々プライドのあるヒトなら「ナメるな」となるのも自然の流れかもしれない。
ただ、店舗の運営においてレジの違算であったり、在庫の減耗であったりとかは、ある程度予算化されたものであり、火災で全焼でもしない限り大抵のことは「想定の範囲内」として織り込み済なのである、なんて聞かされたら、正義感から追跡して返り討ちに遭った店員さんは浮かばれないかもしれない。
がしかし、今回のことで閉鎖され、臨時柵で封鎖された事件店舗を見ると、「だから追うなと言ったろう」という店主の声が、聞こえて来なくもない。

朝からオヅラさんの番組では、これら最近の少年犯罪の傾向を「対人関係の欠如」と結論付けたい向きだったが、果たしてそうだろうか。
「かごダッシュ」や「ひったくり」が増加しているのは、やたらと下手に出る店員、叱らない親、から起因しているのではないだろうか。
接客業では「お客様に不快な思いをさせない」というのを第一に、どんな言いがかりでも揚げ足を取らないように対応することがベストとされていて、これは大手フランチャイズチェーンになればなるほど顕著になっていく。
「いらっしゃいませ〜、こんにちは〜」
から始まるコンビニの接客対応は、その最たるものだろう。
相手が例えコドモであっても、たとえどんなコトを言われても、あくまで笑顔で接客。
缶コーラを温めろと言われ、そのまま電子レンジへ。
温められたコーラはあえなく破裂し、レンジの中は大惨事に。
ソコで追い討ちかけるように、「(破裂したら)持って帰れないから、別のをもらえます?」なんて言われて、それでも笑顔で新しい冷えたコーラを棚から差し出す。
そんなコトをしていたら、ナメられて当たり前なのだ。

こういうジャリをしっぱたくと、決まって出るのが「親にも叱られたことないのに。」
今では、「なんでウチのコに手を出すんですか!?」と怒鳴り込んで来るDQN親がデフォルトだから始末が悪い。
オマエんとこの、犬より躾の悪いアフォなガキを注意して、感謝されこそすれ、文句言われる筋合いはない。
と言って欲しいトコロだが、頼みの店長はお決まりの「よく言って聞かせますんで、何卒今回のことは穏便に・・・」と菓子折りでも出しそうな雰囲気。
これでは少年犯罪を助長しているようなものなのだ。

むかし駄菓子屋で、買いもしないのにお菓子を物色していると、奥からジジイに怒鳴られたものだ。
そういう環境で育てば、「買わないものには触らない」がデフォルトになる。
それが今では、スーパーでクソガキを放し飼いにした挙句、指でつついて潰れてしまったパンですら、シレっと棚に戻す親が大半。
とココで、珍走団が大挙して訪れたガソリンスタンドで、「オマエら一列に並んで500円出せ」と号令し、有無を言わさずレギュラー500円分を給油した伝説の店長「カネやん」のコトを思い出した。
こう言われると、意外に素直に一列に並んで給油を待つ珍走の一団。
これからは、
明らかに目下の相手には命令口調でOK
というのを、接客の基本にしたらどうだろうか。
そうすれば、親から寄越されたカネで偉そうに買い物するボーヤたちも、少しは態度が改まると思うのだが、どうだろうか。

だって、欲しい商品をカゴに入れてそのまま店外へ逃走、なんてまるきり「盗っ人」ではないか。
「かごダッシュという遊び」なんてので済まされる次元ぢゃ、もはやない。