思い込みと勘違いと

dubrock2007-10-15


午前5時、空き缶が立てる物音に目を覚ます。
大方ホームレスが、空き缶入れからアルミ缶を選り分けているのだろうと思い、彼らにも彼らの生活があるのだろうと目を閉じるのだが、あまりに長い時間いじっているので、堪り兼ねて起き上がる。
いい加減にしろ、と怒鳴りつけるべく窓を開けると、ソコにはチワワを連れた近所の奥さんの姿が。
その手は空き缶入れのアルミ缶から、プルタブを外し続けていた。

そうそうこの部分をたくさん集めると、車椅子に換えてくれるというボランティア活動を聞いたコトがある。
アルミの中でも、このプルタブ部分の素材は「缶を開ける」という強度を得る為に特殊なものになっていて、高価なのだとか。
ボランティアだか何だか知らないが、朝っぱらから他所の空き缶入れ漁りやがって、ウルセーんだよこのババアと怒りに任せて、昨晩飲み干したビールの空き缶を、当たらずとも遠からずのあたりへ投げ付けてみる。

このプルタブの活動、そもそもは缶を開けると取れてしまうタイプのプルタブが散らかるのを防ごうと始まったもので、プルタブの素材がとりわけ高価というのもガセ。
缶を開けてもプルタブが外れない最近のものは、わざわざプルタブを外さずにアルミ缶ごとリサイクルに回した方が、容易に車椅子になるそうなのだが、そんなハナシは聞いたコトが無かった。
ちなみに、プルタブ25万個分でようやく車椅子になるアルミニウムは、アルミ缶なら6300個で足りるらしい。
20年も前のハナシでちまちまプルタブをコレクションしているボランティアもお疲れさんだが、それに突き合わされて安眠を妨害される当方としては、ソコんトコロの周知にはもっと力を入れて頂きたいと切に思う。

ちなみに、ホームレスが集めたアルミ缶は自転車山積みでせいぜい5、600円ぐらいだろうと思っていたが、実はキロ200円弱の値が付き一日で7、8000円、月に5、6万の稼ぎになるらしい。
どおりでヤツら、ヤサもないくせに電動アシスト自転車でリアカー引いて、街の環境保護に努めているワケだ。
と同時に、そんな高価なものを毎週捨ててしまっている一般市民のもったいなさと、行政とモメても止まない持ち去りを思い起こした。
必死こいて稼いだ端から捨ててしまっていては、そりゃワーキングプアにもなろうというものだ。

「捨てられるホワイトカラー」という本があるらしい。
自身の給与が経費削減の的となるほと会社内で上位に登り詰めたばっかりに、窮地に追い込まれるハナシなどが描かれているという。
ココまで極端でなくても、勤続年数に相応するポストをあてがわれ、自身の能力不足から「鬱」を発症して会社から排除される例は結構ある。
以前勤めていた会社の上司もコレで第一線から外れた。
取り引き先で転勤もなく、年齢に不相応な万年課長さんは大抵このパターンだとは、当時は知らなかったものである。

世の中には、まだまだ知らないコトがたくさんあるのである。
ちなみに写真は、ダイドーのD-1コーヒーに付いているシールで当たるプレミアム缶コーヒー3本セット。
かなりの高確率で当たるらしく、これまで3回挑戦して2回当たった。
この懸賞に使われているシステムが、今とっても気になっている。