また今年も

dubrock2007-10-19


新日本石油が早々と、11月卸価格の値上げを発表した。
今回打ち出しは1リットル当たり4.8円と大幅ではあるが、ここ数年聞き飽きた石油会社の値上げ発表には「ハイハイ」といったカンジではある。
灯油の需要期入りを前に価格を釣り上げるのも毎年のことだが、価格算定の根拠をWTIや石油先物に求めるのは苦しくないだろうか。

そのむかし不透明な石油価格がオイルショックを招いたとして、社長が国会に参考人招致されて以降、卸価格の上げ下げを公表して透明性をアピールしてきた日本石油
特石法の廃止による業界再編の課程の中で有名無実となり、「積み残し分」なんて苦しい言い訳が出てその形骸化は世間の知る所となったが、それでも一貫してドバイのスポット価格と為替レートを算定根拠にして発表を続けてきた。
だいたい、随意契約で買い付けている石油元売はドバイスポット価格ですら買っていないと言われているが、WTIに石油先物とは何とも苦しい言い訳だ。

こうなると季節需要の暖房用エネルギーでも、消費者の本格的な石油離れが必要になってくる。
需要前に無茶な値上げをせず、また通常から良識的な価格設定の都心ガスはその最有力だが、設備インフラの面でこの選択肢は都市部に限定される。
同じガスでも民生用プロパンは買うべきではないコトは、アパートなどの集合住宅のガス設備はガス屋さん持ちであるコトを考えれば明白だ。
同じガスでもココまで値段が違うと、業界の淘汰再編が待遠しい。
間接的には石油に依存する部分が大きいとはいえ、「オール電化」はかなり有効な『石油離れ』だ。
まあ費用などの面でオール電化までは難しくても、「エコキュート」ぐらいは考えたいものである。

永年のブッシュ政権の功績により中東の原油市場がアメリカの統制下にある昨今、原油価格の著しい下落はしばらく見込めそうにない世の中なのだから、少なくとも冬場前の石油会社の「値上げ」にくらいは、免疫を付けておくのが「賢い消費者」ではないだろうか。
「消費者に影響」と新聞が煽る記事が、空々しく感じる朝だ。