ググれカス

Yahoo!やGoogleで「初音ミク」というキャラクターの画像を検索すると、本来表示されるべき「もっともキーワードに適した検索結果」が表示されないという現象が、ここ数日2ちゃんの話題になっている。
もともとYahoo!の検索結果については意図的な検索結果の操作があるとして、「検索するならGoogle」というのがパソコン通という風潮があったが、「そのGoogleまでもが信じられないのか」というのが関心を集めた理由のようだ。

『検索技術がネット上の情報を"宝の山"に変えた』と言われるくらい、Yahoo!のWeb検索を初めて利用した時の感動はズバ抜けたものだった。
それまでの、「既知のURLからサイトを閲覧し、そこからリンクを辿る」という従来型のネットサーフィンには、「で?」というある種の空々しさが付き纏うものだった。
起点となるURLを仕入れなければ新しいネットサーフは始まらないワケで、当時ほとんど更新されることもなかった企業HPはスグに見飽きてしまい、30分もやればオナカイッパイのマニアックな趣味。
それが「インターネット」の世界だった。

だから検索窓に任意の検索ワードを入力すると、そのキーワードが含まれるページが表示される「Yahoo!検索」は画期的なものであったし、それが何らの利用登録も必要とせずに無料で利用できるというコトが、ある意味ショッキングでもあった。
インターネット上のページ情報を自動で蓄積し、ユーザーの任意の検索ワードに適していると思われるページを表示するシステムなんて、当時容易に開発できるものとは思わなかったし、仮に開発できたとしても費用が膨大にかかるハズで、そんなシステムを無料で提供する意図が分からない。
それが利用者に認知されることで毎日コンスタントにページが閲覧され、その多くの訪問者へ広告を配信することでスポンサーから広告料を徴収するビジネスモデル。
そんなものが成立するとは、またそんな広告にカネを出す企業が居るなんて、当時は考えられもしなかったものだった。

それが今では・・・。

だから「Yahoo!検索は信用できない」といくら言われたトコロで、ワタシが設置したパソコンのスタート画面はみんなYahoo!だし、普段の検索はとりあえずYahoo!で済ませている。
日本での検索エンジンシェアでGoogleが未だにYahoo!を超えられないというのも、そういうコトだと思う。

だいたい、「初音ミク」というキャラクターの画像が検索されなかったトコロで、日常生活にいったいどれくらいの不都合があるのだろうと不思議に思うが、検索結果が恣意的に操作されるということは、すなわち「誰かが公に見せたくない事柄を隠蔽できる」というコトであり、それこそが問題なのだという。
つまり「誰か」が権力者であって、「見せたくない事柄」が「人権蹂躙」であったり「汚職」であったりとその権力者にとっての不都合な真実であった場合に、国民の「知る権利」が侵害されるというのだ。

んな、大袈裟な、

と思うのだが、「そういうことにも成りかねない」というコトで、今回の一件でネットに浸透した「Google信仰」を見直そうという動きが出てきた。
それが今回の「初音ミク騒動」というコトになるらしい。
今回の一件が、電通ホリプロが強く推したにも関わらず全く売れなかった「伊達杏子」というキャラクターの認知の為に行われた陰謀なのか、それとも「たまたまNGワードに入ってしまった」偶然なのかは定かではないが、何でも人に聞く前にGoogleで検索しろという「ググれカス」というコトバは、盲目的にGoogleの検索結果を信用するなという「ググるカス」というコトバへと変化した。
それだけでも、進歩と言えるのではないだろうか。

タイミングよくKDDIが「au one」というポータルサイトをPRする為に開設したサイトが、Dooggleという犬検索サイト。
http://dooggle.jp/
「ちゃんと検索できねぇぢゃん」とか言わずに、そのGoogleそっくりのパロディとタイミングの妙を味わってみて欲しい。

検索エンジンなんて所詮こんなもの
検索サイトなんてこんなものでいいぢゃん

そんな風刺に思えてしまうのは、ワタシだけだろうか。