名案

dubrock2007-11-13


最近ゲームセンターの様相が様変わりしたと思う。
話題の「ガンダム」はじめ、ゲームデータを蓄積していくタイプがほとんど。
その「ガンダム」にしたって、念願の「ガンダム」を操縦するには通算で万単位のプレイ料金を支払って経験を積まなければならない。
ドラクエの「スライム狩り」みたいな儀式を、ゲームセンターで遊ぶのにも経なければならないというのは、ワタシのような「ちょこっと遊びたい」身からすればそれだけで参入障壁だったりする。

これにはICカードによる個人情報の取得が大きく寄与しているようで、これまでコイン1枚2枚で現金決済してきた為に出来なかった、ロイヤルカスタマー層をターゲットにしたマーケティングが可能になったコトが大きいらしい。
ゲームメーカーはこれまで、目に見えない顧客をターゲットに新商品を開発してきた。
それゆえ、万人受けする、マスターゲットのコンテンツにならざるを得なかったという。
これが、ICカードとその追加情報をネットから取得するコトで、最も消費動向の強いコアターゲットを「30代の男性サラリーマン」に絞るコトができ、さらにその消費動向も「平日の夕方から夜」に限定することができたという。
つまり、週末ごく稀に来店するワタシのようなライトユーザーはターゲットとされていないので、入り込みにくくて当たり前なのである。

その最たるものが、「麻雀ゲーム」ではないだろうか。
「麻雀」というゲームの面白さはココで改めて書く必要もないが、それを楽しめる場所というのは殊の外少ない。
「仲間の家に4人集まって」というのは学生の時分のハナシであって、社会人でそれぞれが家族を持つ身になっては不可能に近い。
またこの開催方法だと「徹夜」は当たり前、また勝っていると帰れないという不都合も生じる。
「麻雀荘」という選択肢もない訳ではないが、「プレーヤー同士のコミュニケーション」という要素がかなり排除されてしまうし、第一ココに入り浸ると頬にキズのある系のオジサンと顔なじみになってしまう。
かといってゲームセンターの麻雀ゲームはというと、昔なつかしの野球拳麻雀ばかり。
脱がせる対象が多少リアルになろうとも、コンピューターに「上がり」のフラグが立つと、どんな状況からでも一撃でゲームオーバーになるイカサマアルゴリズムは20年前から変わらないのだ。

それが30代のコヤジをターゲットに絞った途端に、「ネットワーク対戦」という「人対人」の仕組みが採用され、その世界が一変した。
流行っているのはセガセガネットワーク対戦麻雀MJ3 EVOLUTION
http://www.sega-mj.com/mj3evo/index.html
コナミ麻雀格闘倶楽部
http://www.konami.jp/mfc/index.html
だろうか。
セガは「3」の「EVOLUTION」つまり「発展, 進展, 進化, 展開」というバージョンだし、コナミも現行が「6」になる改良版。
それゆえ「麻雀」のゲーム性をとことん追及して楽しめるようになっており、段位を取得すると「プロ雀士」と対戦できたり、定期的に「大会」が開催されるなど充実した内容となっている。

それなら、さぞ楽しかろう

なのだが、これがさっぱり面白くない。
というのも、まずゲームにエントリーするにはコインが必要となる。
それは当たり前のコトなんだけど、これにより得られる「思考時間」はほんのわずか。
ほとんど反射神経での「早打ち」が要求されることになる。
さらにコインを投入すれば「時間無制限」でのプレイも可能なのだが、他のプレーヤーに振り込んでしまうとソコでゲームオーバー。
時間が無制限でも「無敵」なワケではないのである。
しかも、「所詮はゲーセンのゲーム」という感覚から真面目に長考する気にもなれない。
また「実戦」であれば自分の上がりを諦めてでもゲームの継続を目指すトコロ、なんだかバカらしくなって「振り込んだらそれまで」という安易な気持ちになりやすい。

先日、守屋防衛事務次官接待ゴルフと、その後の「賭けマージャン」が話題になった。
1日ゴルフをしてその後に麻雀をするオッサンの体力もなることながら、「賭けマージャンと言えども千点50円」という苦しい良い訳も記憶に新しい。
マージャン、ボウリング、ビリヤードなどに限らず、純粋にプレーを楽しめそうなゴルフに到ってまで、「カネを賭けないとマジメにやる気が出ない」という人種は結構多い。

この「ネットワーク対戦型麻雀」にしたって、そのプレイ履歴で段位が認定されるとはいえ、「大のオトナ」が真剣に打っている様というのはいささか滑稽ではある。
つまり、この「ネットワーク対戦型麻雀」に唯一足りないのは、すなわち「賭けマージャン」要素ではないだろうか。
もちろん、表向き日本国内では、「公営ギャンブル」を除いて一切の賭博行為は御法度であって、海外のネットカジノサイトであっても、日本でそれをプレーすれば違法となる。
「パチンコ」が例外的な扱いとして公然と換金を行なっていて、麻雀荘も「チップ」というものを媒介させてグレーな運用がなされている場合が多い。
ならば、この「ネットワーク対戦型麻雀」だって、「スイカ」のような電子マネー、もしくは「楽天ポイント」のようなショッピングに利用できる仮想通貨を用いて、「賭け」の要素を盛り込むコトが可能ではないだろうか。
(まあ、オリジナルのポイントがマイルに換えられて、なんだかんだで換金できる、というのが最終的な落とし処なんだろうけど。)

そうすることで稼働率の問題もクリアになり、現状大型ゲームセンターに限定されてしまっている設置場所も、全国津々浦々のネット喫茶ぐらいまで拡大できる。(つまりハードが売れる。)
また雀荘はちょっと・・・と遠ざかっていた麻雀ファンも、より健全な雰囲気の中で麻雀というゲームを愉しむコトができる。
まさにWin−Winの関係なのだ。

なんだか座っているだけで、コインを1枚、2枚と巻き上げられながら、そんなコトを考えた1日だった。
これぢゃ、勝っても負けても、負けたも同然。
そんな気分は、やっぱいやだろ。