それが、オトナのマナー

「ビジネスマナー」というものがある。
それの代表格が、「席次」。
『入口から最も遠く、床の間の近くが「上座」』という、
●日本間の席次
こういうヤツだ。
よく新入社員研修とかで資料に配布されるもので、「間違ってもぺーぺーが上座に座らないように」という戒めの意味が込められている。
とはいえ、誰も居ない応接室に一人先に案内された場合など、「ではどうすればいいのか」についてはあまり教えてもらえない場合が多い。
「するな」と言われても、「ではどうするか」が分からないので、新人はケースバイケースで体で覚えるしかない。
なんとも不合理な「マナー」だ。

ともかく、入り口に近いほうが『末席』という原則に縛られているワタシからすれば、
●お客様との打ち合せ
こういうケースに「客」の立場で直面しても、とりあえずは『会社側の末席』に座ろうとする。
これは率先して上座に座ることが「尊大」と感じるからで、「謙譲」いわゆる「謙った」態度の現れなのだが、これが通じるのは先輩から「マナー」について叩き込まれた団塊後10年くらいまで。
これを過ぎると「会社側の三下」が空いている上座に黙って座られて、ちょっとムカっとしたりもする。
なら、最初から上座に座っときゃいいじゃん、なのだが、その尊大な空気感がどうしても耐えられず、そうできない自分がいる。

そんな中で、例えば飲み会の席。
●レストラン/中華料理席順
こういう場合、それがどういう立場で招かれていようとも、ワタシは間違いなく『末席』に座る。
これが通じる相手ならいいのだが、メンバーが若手だと通じるコトもなく、最後まで末席で飲み物オーダーや食器の下げ膳に追われるコトとなる。
そんな中、最初に会場に現れて上座を陣取れるヒト、最後に現れて空いている上座に鎮座できるヒトというのが、世の中にはいる。
「知らない」のだろうから、コチラもそれについてドウコウ言うつもりもないのだが、もしかして「知っててやっている」のだとしたら、それこそたいした神経だ。

最近金屏風の前で不可解な離婚会見をした春風亭小朝が、テレビで寄席の楽屋での席次など述べていて、そんなコトを思った。
鬼が笑うかもしれないが、来年こそは「上座に座れる人間」になろうと思う。
もう誰も気にしてないから、いいんぢゃないかと思う。