ふざくんな(加藤ローサ調でお願いします)

dubrock2008-01-15


最近ではあまり聞かなくなったが、「キャバクラ遊び」というのが異様に流行った頃があった。
キャバレーという古臭いものでもなく、クラブほど高級なものでもない。
そんなお手軽な「遊び」がキャバクラというコトだったらしいが、その実際は素人に毛も生えない「ドシロウト」がホステスの真似事をする空間。
ソコで素人ネエチャンと疑似合コンごっこができるというのが「遊び」のキモだったみたいだが、場末のスナックですら氷が切れても知らん振り、汗をかいたグラスを拭くことすら知らないアルバイトホステスばかりの昨今に、何で高いカネ払ってドシロウトの世間話に付き合わなきゃいけないものかと、不思議に思ったものだった。

最初はセット3千円の「お手軽飲み屋」だったハズが、ボトルサービスデーだからと入れられた安焼酎が次からは有料になり、気が付けば5千円、8千円と客単価を上げられながらも、今日はクリスマス、今日はお弁当デーだからと執拗にメールで誘われ通い続けるキャバクラの達人に、何がそんなに面白いのかと聞いてみた。
突き詰めればそれは「アフター」と呼ばれる店外デートの為であり、まあ10回も通って指名すれば1回くらいはお付き合いしてくれる「もしかしたらやれるかもしれない男のロマン」の為なんだそうだ。
とはいえ実際のアフターはそんな雰囲気にはならず、高い寿司をつまんでカラオケに流れ、朝の5時までカネばかり出させられる最悪の接待道中。
それでも「また来て下さい」なんて言われると、ノコノコと出掛けてしまうのが男の性というものだから、男性心理を見事に突いた「遊び」というコトができるだろう。

方やキャバ嬢の側からキャバクラを眺めてみると、高時給に釣られて働き始めたはいいが、指名を取れないと歩合給が弾まないし、指名を何度かされると店からアフターを示唆される。
「そんなハナシは聞いてないし、聞かされていれば最初からこんな仕事やらないし。」
なんて愚痴を、気を抜くとコッチが客なのに聞かされてしまうから注意が必要だ。
最近では「アフターを強制しないお店」を売り文句にキャバ嬢を募集するお店まであるくらいだから、この問題相当根強いのだろう。
「若い」という以外に取るトコロのない、時事問題ワカラネェ、酒の作りかたシラネェ、話題ツマンネェ、そんなアフォなガキが月給30万、50万。
それでは金銭感覚も狂ってしまおうものだが、こんなんで「世の中チョロイ」なんて思われてしまったんではこちらの立つ瀬がない。
ならば他の風俗産業同様に「キャバ嬢であること」をおいそれとは公言できないような、そんな風潮になってもらいたいものだと思う。

ショットバーの店長が交際を迫られて・・・という事件があった。
お店は女性スタッフのみでカクテルなどを提供する「レディースバー」というものだったらしい。
出来上がった酒をカウンター越しに提供するだけの店と、客席に同席して水割りなどを作るお店とは風営法上の扱いが違うらしく、後者は午前0時から日の出までの営業が禁止されているが、前者は営業時間などについてあまり規制されないらしい。
で、事件のあったお店は「前者」のほうであって、若い女性スタッフのみで運営されているとはいえ「そういったサービスをするお店ではない」と言いたいらしいが、客の立場からすれば何の違いがあるというのだろうか。
そもそも、なんらかの下心なくしてわざわざ繁華街に出向いて酒なんか飲まねぇ。
酒が飲みたいだけならハナから大五郎買って家で飲むし、外で飲むったって居酒屋しか行かねぇ。

アルバイトでもおこがましいが、仮にも「店長」まで名乗っておいて「そんなつもりはなかった」が通用してしまう「水商売」って、どんなもんだろう。

新年早々、スナックの20そこそこのオネエチャンを落とした還暦ジジイの自慢話を聞かされた。
はじめは、こんなジジイが言う「若いコ」なんてどうせ30前後、と聞いていたのだが、どうやらその「若いコ」はワタシでも滅多にお相手できない「リアルに若いコ」だったと判り、なんとも羨ましくそのジジイを眺めていたのだが、秘訣は「カネに尽きる」とあっさり言われてしまった。
クリスマスの時期プレゼントにコートが欲しいと言われればポンと10万のコートを買い与え、お正月には「お年玉」と称してポンとお小遣い5万円を渡す。
それだけ羽振りよく振舞えば、あとは「今度日当分出すからお店休んで遊びに行こう」で一発だと言う。

「コッチの羽振りが悪くなれば、あんなオネーチャンスグに居なくなる。アンタだって、カネさえ使えばいつでも出来るコトなんだから、そんなに焦ることないさ。」とニヤつくジジイを見ていて、「遊び」とはかくあるべき、と妙に納得してしまった。
遊ぶ方にも遊ばせる方にもそういう暗黙のルールがあって、その大前提で成り立っているのが「お水」。
お互いにそれさえ弁えていれば、怪我するコトもない。
そういうもんではないだろうか。