親も知らないワタシの秘密

dubrock2008-02-25


ワタシの右上の奥歯には金属が被せてあるのだが、最初はその「金属を被せた奥歯」の違和感だと思っていた。
舌先で探ると、その歯の付け根には「隙間」を感じる。
つまり「金属を被せた歯」が虫歯に冒され、痩せてしまったのだと。
痛みを感じないのは神経を抜いてしまった為。
食後の鈍痛は歯茎の炎症である、と。
なので気になる「隙間」を食後に歯間ブラシでほじるのが日課になり、冷たい水が凍みるのは知覚過敏であると、ドシロウトの見立てもココまで来ればたいしたもんだ。

それがついに、脳天まで貫くような痛みに襲われた。
ナニもしなければ痛くない。
ただ、顔の表情を変えると痛みが走るのだ。

しばらく様子を見てみる。
症状は改善しない。
今日は土曜日。
午前中の「今」歯医者に行かなければ、もし万が一明日痛みが増しても、あさっての月曜日まで我慢しなければならない。
しかしバファリンの買い置きはある。
なんとなれば、一箱食うくらいのコトは出来る。
しかし、そんなの効かないレベルだったらどうしよう。

様々な葛藤の末、午前11時過ぎに慌てて歯医者を目指した。
早速診察。
念の為レントゲンでも確認する。
センセーは写真と、実際の口の中の様子を示しながら、この痛みの原因が「親不知(おやしらず)」にあるコトを告げる。
ほんの少し露出したワタシの親不知はあっけなく蝕まれ、その虫歯がついに神経にまで達したらしいコト。
場所が悪く治療も困難なので、「抜く」のが一般的だというコト。
「親不知」は個人差が大きく、「末広がり」の根を持っていると抜くのも難しいが、ワタシのは幸いにも「先細り」の様だというコト。
虫歯の親不知は抜こうと掴むと砕ける場合があり、砕けると抜くのも困難になるというコト。
結論的には「やってみなければ分からない」というコト。

世間では「大変だ」というハナシしか聞かない「親不知抜き」が、今にも始まりそうな雲行きに緊張が走る。
とりあえず今日のトコロは考えさせてくれ。
そう言おうと思った矢先に、「次回は歯石など取りながら様子を見て、時間のある時に抜きましょう」と言われ、ホっと安堵する。

時間にしてほんの十数分。
千数百円の費用で、あの「脳天まで貫くような」痛みから開放されたワケで、行ってしまえば「何故もっと早く行かないのだろう」と思う。
一方で、痛みから開放された今、次回の予約に間違いなく出向く自信もなかったりする。

思えば20代の頃、会社負担分と合わせて高額な社会保険料を払っていながら、医者というものに掛かった記憶がない。
仕事上の怪我は「労災保険」で、交通事故には社会保険は適用されない?
それでも破綻しそうな医療保険制度って、原因は何か他にありそうだ。
そんなコトを考えながら、単年でも負担した保険料の元を取る(保険料以上の給付を受ける)のは難しいと実感した、今回の歯科受診だったのである。

親不知、出来れば抜きたくないなぁ。