欧州委員会の猛威
域外の企業に途方も無い制裁金を科すことでお馴染みの欧州連合(EU)の欧州委員会が、今回もまた米マイクロソフトに独禁法違反で過去最高の制裁金13億5000万ドル(約1460億円)の支払いを命じた。
リリース後何年経ってもセキュリティの脆弱性が見つかるOSをメインに、秘密主義とガチガチの特許でITの世界に君臨しているマイクロソフトだけに、「欧州委員会もっとやれ」と言いたいトコロだが、日本企業もその標的にされてかなりの制裁金を科されていると聞けば、「諸手を挙げてEUバンザイ」とも言い難いのが心情というもの。
今回は、
2004年、マイクロソフトが競合する小企業向けサーバーのメーカーに必要な情報を開示しないのはEU競争法違反としたにもかかわらず
マイクロソフトは情報提供の際に高額の特許使用料を要求し、情報を適切な条件で開示するよう求めた欧州委の命令に従わなかったというコトでの措置。
欧州委員会とマイクロソフトといえば、同じ欧州委員会の指摘により主要ソフトウエアの技術情報の詳細を公開すると発表した21日のニュースが目新しい。
これは大ヒットした「オフィス」などの技術情報を非公開として、OSとの「抱き合わせ販売」をしたことが問題とされているのだが、自社製品を売る為に他のヒット商品に抱き合わせをするのは、マーケティングの王道中の王道であって、何もマイクロソフトに限ったコトではない。
ただあれだけのシェアを獲得してなおその政策を継続することは、企業倫理的に照らしてどうかというのもあって、「当方の域内で商売をしたければ、従え(制裁金を払え)」という欧州委員会の措置は、EUだからこそできるものであって、誰かがしなければならないものとも言える。
ところで、話題になっている「オフィス」って最近使っただろうか。
正直なトコロ、「エクセル」も滅多に開かないが「ワード」は尚開かない。
強いてあげれば「アウトルック」なんだろうが、メールの送受信だけなら「Thunderbird」の方が安定していたりする。
情報はサーバー処理が大半になったし、セキュリティの面からも個別の端末に情報は置かず、パスワードで保護されたホストで一括管理が主流になりつつある。
最近のパソコンを買う条件だって、「ワード・エクセルやってみたい」から、「インターネットで動画を観たい」に変わりつつある。
つまり今さら技術情報を公開されたトコロで、こちとらたいした恩恵はないし、向こうさんだって痛くも痒くもないのではないだろうか。
もうひとつ「マイクロソフト」といえば、米Microsoftによる米Yahoo!の買収提案。
このハナシを聞いて、「Vistaでブタコケのマイクロソフト、ヒッシだな」と思ったのはワタシだけだろうか。
先日インテルマックを買った幸運な人が、「知人からXPのCDを貰ったので儲かった」という主旨のコトを言っていた。
「アレって、インストールから30日以内に認証しないと起動しなくなるんじゃね?」
という話題を振ったのだが、ソレについては「全く知らない」という答えだった。
2000からXPで格段に進化したのはその部分。
(ちなみにオフィスは50回起動だっけか?)
つまりユーザーの為ではなく、マイクロソフトの為に行なわれた刷新がメイン。
そのXPに、いわゆる出オチのビジュアル効果を盛り込んだのがVista。
ワタシはそう理解している。
つまり「OS」という既得権益にアグラをかいて、ユーザーではなく社内に向いた商品開発を行なった結果、市場から「No」と言われつつあると考えれば、資金力のある今のうちに、集客力のあるコンテンツを買い取るというのは至極当然の結論。
やっぱり「一人勝ち」は良くないというコトで、そんなガリバーに対抗できる「合体ロボ:EU」ってスゴイという、そういうハナシ。
かくなるうえは「大東亜共栄圏」という合体ロボ構想でこちらも対抗して・・・
えっ!?
もはや日本が「アタマ」じゃない?
もちろん「右腕」にすらなれない?
なら「左足首」ぐらいでいいからさ〜。
えっ!?
ウリが「アタマ」ニダ?
ひでえな。