ドライブシャフトブーツの交換

どうも洗車のたびに自慢のアルミホイールが油っぽいと思ったら、愛車カルディナくん(ST−195G)のドライブシャフトブーツが切れていた。

破れたブーツ
13年落ち、140000km走行。
まあ時期的にも、仕方のないコトではある。
前輪駆動(FF)車の駆動輪(つまり「前輪」)は、「駆動」と「操舵(舵を切ること。つまりハンドルですな。)」、2つの役割を持っているワケであるから、その機構のドコかには「ユニバーサルジョイント」というものが必要であり、そのジョイント部分の「潤滑」というのも大事なコトではあるのだが、FF車が考案されたその昔から「ジャバラで密閉した中にグリースを封入する」という方式は変わらない。
過去に「内部封入式ジョイント」というのも出された記憶があるが、主流は相変わらずコレ、というのも日進月歩の日本自動車工業界においていかがなもんであろうか。

ゴムのジャバラが回転する度に変形し、ハンドル操作の度に大きく潰れる。
だから、そのジャバラがいずれ切れてしまうというのは避けられないコトだ。
だからといって、2年で1万キロほどしか走らない車であっても、「(車検時に)少しでもヒビ割れていたら交換」はやりすぎであって、さらに「手間がかかるので工賃は片側1万円、両方で2万円」はボッタクリだろう。
たしかにこのジャバラを交換しようとすると、ドライブシャフトを抜く必要があった。
コレも構造的な問題で、何も車体外側から差し込めるように設計すればイイだけなのだが、「ブーツの交換はドライブシャフトを抜いて」が整備界の常識であった。
(これにはどうも、「簡単に交換できては困る」という整備業界の意向があるように思われる。「稼ぎ処を残しておけ」という。またディーラーの関係者の中では、「(作業工賃はともかく)ドライブシャフトを抜くコトは、さほどの重整備でもない」という意識があるのだろう。)

割れ部分
ソコへいくとこの「分割式ドライブシャフトブーツ」というのは革命だった。
なんつったって「真ん中で(縦に)割れている」のだから、ドライブシャフトを抜く必要がないのだ。
これなら、DIYでも安心して作業することが出来る。
なにせ、「切れたまま放置しておくとジョイント部分を破損し、ドライブシャフト交換になる可能性も」と脅かすくらいのものなのだから、これくらい簡単に交換できなければダメなのだ。
問題はその接合部分。
走行中は絶えず変形を繰り返すワケだから、「接着剤がはがれた」なんてコトはあってはならない。
しかし化学の進んだ世の中だから、優れものの接着剤ももちろん開発されていて、接着後の接合面は「他の場所よりもむしろ強い」くらいのものとなっている。

能書きはこれくらいにして、早速作業に入ろう。
今回は例の秋田自動車部品商会さんから取り寄せた、
「分割式ドライブシャフトブーツ」
http://www.cna.ne.jp/~a_buhin/ware-boots.htm
分割式ドライブシャフトブーツ
を使っている。
まずはタイヤを取り外し、切れちまったブーツを取り外す。
とはいっても、どうせ捨てるもの。
両端の金属クリップをニッパーで切り、ブーツ本体にはカッターを入れてしまう。

古いブーツを外したトコロ
(この、「ブーツをカッターで切る感触」がなんともいえなくイイ。(・∀・)イイ!)
外したら、ジョイントに付着しているグリスと、飛び散ってしまったグリスを掃除する。
(と言っても、どうせ見えない部分だし、最後には新しいグリスを入れるワケであるから、そんなに一生懸命掃除する必要もない。その昔バイク少年だった頃、チェーンが古いグリスで汚いからと洗浄油に浸してキレイにしたコトがある。結果は、内部のグリスまで除去してしまい、「新しいチェーンお買い上げ」となってしまった・・・。)

接着剤を塗ってるトコロ
そして分割式ブーツの「割れた部分」に付属の接着剤を塗り、接着面に古いグリスなどつけないように組み込む。
さらにこのキットにはいわゆる「ホッカイロ」が入っていて、コイツで10分ほど温めて接合させるようになっている。

ホカホカ
効果のほどは分からないが、コレで「しっかり接着した」という気分にはなるので、それでイイのではないだろうか。
その間に反対側に取り掛かるコトにする。

コレは個人的な考えなのだが、左右対称で取り付けられている部品というのは、たとえばヘッドライトやテールランプなど、左右対で交換するのがセオリーではないだろうか。
同じ使用状況の部品なのだから、その寿命にさほどの変わりはない。
よく、「この前もヘッドライトが切れて直したばかりなのに、また切れた!」と騒ぐオヤジがいるが、なんのコトはない「反対側が切れただけ」なのである。
同じ作業なのだから一度で済ませた方がイイに決まっている。
定期交換部品は左右対で
DIYで車をいじる時の常識として強く提唱したいと思う。
(ちなみに今回の「分割式ドライブシャフトブーツ」は、左右2個買うと大幅に割引になる。有り難い。)

10分経ったら付属のグリースを入れて、両端を金属製のクリップで留めて、作業は完了となる。

装着作業完了〜♪
交換したトコロで、コレといったインプレッションもないのが悲しいが、ブーツ交換をDIYでできるヨロコビを噛み締めながら、夜の街へと繰り出そうではないか。