こんなクレーム対応はいやだ

dubrock2008-03-21


とある清涼飲料水の自販機ベンダーのハナシ。
「最近カルピスと合併したトコ」と言えば、関係者ならピンと来るだろうか。

コトの発端は先週末、売り切れ補充した栄養ドリンク剤。
コレが補充の際に、機械の中でタテになってしまい、「販売ランプは点くが商品
が出てこない」という現象になってしまった。
ココまではよくあるハナシ。
問題はココからだ。

自販機には緊急時の連絡先電話番号が記載されているが、週末は留守番電話に
なってしまう。
ちっとも「緊急時の連絡先」なんてシロモノではない。
なのでこの不具合に対する対応が、週明け以降になってしまった。
少なくとも日曜日の朝の段階で分かっていた問題が、月曜日の午前中まで放置さ
れるコトとなり、「150円投入したのに商品が出てこない」被害者を必要以上
に増やす結果となったのだ。

月曜日の午前中に不具合は復旧された。
しかし、あろうことか自動販売機の施錠を忘れて立ち去ってしまったのだ。
(これは後から分かったコトだが、常に巡回している担当者が休んでいたため、
上司である「マネージャー」が「部下の補充ミス」を復旧していた。なので、
「部下のミスをカバーしてやった」という慢心がこの「マネージャー」にはあっ
たのではないだろうか。)
この施錠忘れに気付いたのがさらに翌日、火曜日の午後。
この時自販機は、当然正面の扉が開けられ中からつり銭などの現金が持ち去られ
た後だった。

施錠忘れを発見した土地の所有者に、担当者が顔を出したのがさらに翌日、水曜
日の夕方だった。
開口一番、彼は言う。
「鍵の方が開いていたということなのですが、どういう状況だったのでしょ
うか?」

日本語の文法上適切でない最近のバイト言葉「こちら○○のほう」についてどうい
う言うつもりはない。
ただ、クレーム対応の顛末を報告に来ておいて、「どういう状況だったのか?」
はないだろうというハナシ。
「どういう状況て、鍵掛けてなかったんだろう?」
そう問い返すと、なんと担当者の彼は「月曜日、火曜日とお休みを頂いていた」
と言うのだ。
それでは状況を問うても何ら不自然ではない。
つまりこういうコトだ。
彼(担当者)が休んでいた月曜日に動作不具合、火曜日に施錠忘れのクレームが
あったから、オマエとりあえず行って謝って来い。< /b>
そう言われたというのだ。
「いちおう担当者として。」
オノレが担当かどうかは興味がないが、「不具合復旧に訪れて鍵を掛け忘れる」
という「恥の二度塗り」をしたコイツの上司、「マネージャー様」は随分と偉い
方であるコトだけは推測がつく。
鍵を掛け忘れた当事者が来なければハナシが噛み合わない。
「(当事者である)マネージャーが来るのがスジだろう?」
そう問い掛けると、あろうことか「何時頃来たら宜しいでしょうか?」と聞き返
されてしまったのだ。
つまりあれだ。
「恥の二度塗り」をした「マネージャー様」は大変お忙しい方なので、わざわざ
来て不在では担当者の面目が立たない。
だから、「オマエが居る時間を教えろ」と、そういうコトのようなのだ。
こういう相手は言い方を間違うと、午後9時とかに平気で押し掛けて来る神経を
持っているので、「平日の常識的な時間帯なら居る」と言葉を選んで慎重に答え
ておいた。

そして・・・

もうお分かりだろうが、昨日、3月20日は木曜日ではあるが「春分の日」とい
うコトで、全国的には「国民の祝日」とされている。
その「平日ではない日」に、彼(マネージャー様)はやって来たのだ。
自ら聞かせた「都合のよい時間帯」を敢えて外して現れた彼は、「申し訳御座い
ません」と深々と頭を下げる。
そして沈黙。
あまりの沈黙に耐え切れず、「で?」と聞き返す。
謝罪は謝罪でこれは必要だ。
しかし、「マネージャー」という役職者がわざわざ来たのであれば、聞きたいの
は「その後」のコトであって、それは「迷惑料よこせ」とかいうハナシではな
く、「再発防止の為にどういう対応策を考えたのか」というコトだ。
それは、「今後この様なことの無き様、従業員教育を徹底して・・・」という落
第回答であっても構わない。
ただ、今後の再発防止についてノープランで、「当事者としてとりあえず謝りに来た」というのであれば、「迷惑だから帰ってくれ」としか言い様が
無い。
長い沈黙の後、「本当に申し訳御座いませんでした」と深々と頭を下げる。
そしてまた長い沈黙。
この、「部下をカバーしに来て恥の二度塗りをした、普段は大変お忙しいマネー
ジャー様」は、ただただこうやって頭を下げる以外に、こういう場合の対処法を
知らないのだ。

場所と電源を供給している都合上、土地の所有者も「全くの無関係」ではない。
ただ、鍵を掛け忘れて中を荒らされた直接の被害者かというと、必ずしも「その
もの」ではない。
となると、この相手にコトの顛末を報告しに来て、「ただひたすら頭を下げるの
み」は適切な対処法ではない。

(実際に徹底させるのは難しいとしても)補充後の動作チェックを行なうようにす
る、とか、鍵が開いたまま一定時間が経過するとアラームが鳴るようにする、と
か、プロであれば何らかの対処法ぐらいあってしかるべきだし、こういう謝罪時
にそういうコトが口から出てこなければ、口から出てくるからこその「マネー
ジャー」ではないだろうか。
30男が泣きそうな顔して下を向く。
そんな謝罪は最初の第一声だけで充分なのである。
そして、一番の問題であった「緊急時連絡先が留守番電話」について、
その問題の存在を事前に認識しておきながら、何らの対策もとっていなかった
「マネージャー様」。

マクドナルドの「マネージャー」は事業所の管理者であって「管理職」に非
ず。

そんな画期的な判決が出される昨今、クレーム対応についても「マネージャー任
せ」とせず、キチンと担当部署を設けて迅速な初動対応を図る姿勢が、企業に求
められているのではないだろうか。
毎回泣きそうになっていたのでは、マネージャーが可哀相だ。

この会社のコト
ですよ!