どうなる!?ガソリン税

dubrock2008-03-26


ガソリン税暫定税率期限切れが迫っている。
テレビではおもしろおかしく、
「4月から25円下がるのか?」
「安定供給は保たれるのか?」
オイルショックの再来ではないのか?」

と消費者の不安心理を煽る報道を繰り返している。

「ガソリンは『蔵出し税』であるから、3月末時点でのガソリンスタンド在庫は『25円高い』ものであり、4月から早速値下げすることは不可能」
なんて聞いた風なキャスターを見ていて、吐き気がしてきた。
大手商社には出来ても、零細のスタンド経営では25円引けない?(゜Д゜) ハア??
いずれ安い商品が入ってくるのが分かっているのに、出来ないって?w
だいたい、その日の仕入れを都度現金で決済しているスタンド業者なんて、日本全国で何件あるだろうか。
一般的な支払いサイトは、月末締めの翌月末銀行振込。
短いトコロでも、15日締めの15日後払いが最短であって、10日サイトで支払っているトコロなど聞いたコトがない。
つまり、その4月始めの仕入れを支払うのは、通常60日後、最短でも30日後のコトであって、それだけの時間があれば、3月末時点での在庫について、課税された税金の還付処理だって可能だろうし(タバコの値上げの時とかみたいに)、だいたい在庫に対する考え方次第で、「先入れ後出し」「移動平均」「最終仕入れ原価法」如何様にも解釈出来るコトではないだろうか。
(っていうか、在庫の回転に5日かかるとか、販売力なさすぎ。)
さらに言うなら、「抱いてる在庫がなくなり次第、25円値下げできる」では、精油所へのオーダー段階で「仮需」が発生して物流がパンクしてしまうのだから、得意の談合体質で「4月1日から店頭売価を25円下げる」くらいの申し合わせをしたって、いいのではないだろうか。
(いつもの業界団体は、もう準備しているのかな?)
それが「公正な競争」だと思うのだが、どうだろうか。

トコロで、販売業者が本当に恐れているのは、そんな25円の差額による短期的な「逆ざや」とかではない。
そんなもの、一般的な20000L積みタンクローリーまるまる一台分出たとしても、たかだか50万円程度のものでしかない。
これくらい銀行だって短期融資してくれるだろう。
社長のポケットマネーでもなんとかなる。
それよりも深刻なのは、今の売価をリッター150円とした場合、25円値下げは約17%。
だからガソリンを月に5000万円販売していた場合、売り上げが850万円下がる計算になる。
この、ただ右から左に移すだけの税金で、水増しされた売り上げは、ソレを根拠に借りた運転資金の返済原資となっているワケで、つまり4月には1000万の資金繰りが必要となるのである。
「1000万」となると、さすがに銀行も「担保」とか言い出すだろう。
社長が出すにしたって、生命保険の一つや二つは解約しなければならないハズだ。
それもこれも、ただ右から左の「税金」までも「売上金」としてきたコトに起因するのだが、そんなコト文系のテレビキャスターには知る由もない。

4月末には再可決されて、こんどは25円の値上げになる・・・・
と報道は続くのだが、誰が再可決を認めたというのだろうか。
ホントは民主党も、3月末までにはシレっと参院可決して、ガソリン税は堅持・・・と思っていたと思うのだが、ココへ来て「ガソリン値下げ」の世論に押されて、パフォーマンスで挙げた拳を下ろせなくなっている模様。
それでも、「ガソリン税は堅持しなければならない」というコトで、そんな空気を読んだマスコミが「5月には25円の値上げになる」と連呼し、世論を誘導しようとしているのがミエミエなのである。
社会保険庁同様、『「ただ集まってくる資金」を好き放題に使っていた件』について、議論しつくされたとは到底思えないのだが、「世論」はどうだろうか。

『「ただ集まってくる資金」を好き放題に使っていた件』と言えば、石原銀行も同じ。
在京の大企業から「ただ集まってくる資金」を、(ただ中央に吸い上げられるくらいなら)在京の中小零細企業に分配して・・・という着想はたいしたもんだと思うのだが、「借したカネは必ず返してくれるもの」と思い込んでいたトコロに、シンタローの「オボッチャン」な部分を感じる。
世の中理想論だけでは通らないのである。
(1000億の赤字は、「貸し倒れ」だけが原因じゃないけどね。)

そんなワケで、もしワタシがガソリンスタンドを任されていたら、4月1日と言わず今日、たった今からでも25円下げて販売するのだが、そんなワタシに誰かスタンド任せてくれんか?w