UK-Japan 2008トーク・イベント with マイケル・ジョンソン

要望を頂いたので、「UK-Japan 2008トーク・イベント with マイケル・ジョンソン」について、真面目に書こうと思う。
何度も言うが、「マイケル・ジョンソン」とはデザイナーの「マイケル・ジョンソン氏」のコトであり、ググると一番に出てくる「陸上競技の選手」でも、2番目にでてくる「イングランドマンチェスター出身のサッカー選手」のコトでもない。

マイケル・ジョンソン
そう。
このオッサンのコトだ。
彼の率いるデザイン事務所「ジョンソン・バンクス」については、UK-JAPAN2008公式サイトに

UK-Japan2008のロゴをデザインしたjohnson banksは、主にグラフィック・デザインやブランディングを手掛ける英国デザイン会社である。
主な作品には、英国が2005年後半に務めたEU議長国のロゴ、ロイヤル・メールの切手デザイン、パリのラ・ヴィレットのヴィジュアル・アイデンティティー、タイム・アウト誌の“London Republik”キャンペーン・ポスターなどがある。
設立者のMichael Johnson氏が手掛けたポスター・デザインのうち25作品はヴィクトリア&アルバート美術館の永久所蔵品として納められている。
Johnson氏は、英国のD&AD賞8回、デザイン・ウィーク賞10回、ニューヨークのアート・デレクターズ・クラブ賞2回など数々の国際デザイン賞を多数受賞し,2003年と2004年にデザイン・ウィーク誌が選ぶ“デザイン界で最も影響力のある50人”に、そして最近はインデペンデント紙が選ぶ“注目すべき英国デザイナー10人”に選ばれている。
と紹介されている。
公式サイト:the johnson banks website
http://www.johnsonbanks.co.uk/
にもその作品の数々が紹介されているが、Flashで製作されたクセのあるサイトなので、この画面から「プリントスクリーン」で画像を取り出すのは些か気が引ける。
とはいえ、「デザイン」について語るのに「画像なし」では、イメージもへったくれもあったもんじゃないので、「JOHNSON BANKS」でグーグル画像検索した結果から、先日のトークイベントでも紹介されていた作品をピックアップして、彼の作品について書いてみようと思う。
(ま、それも「著作権」を侵害していると言えばそうなのかも知れないが、「今日発表した作品が、翌日には全世界で閲覧されている」と本人も言っていたので、こういうコトも「ある程度は織り込み済み」と解釈させてもらうコトにする。)

letter_johnsonbanks
コイツはアルファベットのカタチをした葉書。
手紙(Letter)と文字(A letter)を掛けたいわゆる「洒落」なのだが、実際に使ってみると「選んだアルファベット」によって、差出人の頭文字が暗示されたり、手紙の内容を要約していたりと、プラスαで伝えられる情報が面白いらしい。
確かに、こんな葉書が届いたら楽しい気分になるだろう。
(配達する方は大変だろうけどサ。)

stamps
ちょっと画像が小さいけど、こんどのは「切手シート」だ。
上半分の「果物」が切手になっている。
それだけなら、「ただの果物の切手」でしかないのだが、下半分に用意された「目玉」「ヒゲ」「帽子」などを追加することにより、「果物をモチーフにした顔のオリジナル切手」が出来るというものなのだ。
(右下が完成サンプルらしい。)
そのアイディアもさることながら、こういう「遊び」を許容してしまうイギリスの郵便もスゴイと思う。
(この他に「ビートルズの切手」とかも有名らしい。)

BAT
コチラはよーく見ると折り目がついている「Air Mail」用の封筒。
Air Mail、つまり「空を飛ぶ」というコトで、展開した時のデザインは「空を飛べるもの」(この場合は「コウモリ」)としてあり、柄は「青空と雲」になっている。
ちなみに「豚」のバージョンもある。

PIG
でも、「羽の生えた豚」って、「空を飛ぶもの」かい?w

そして、一目見て欲しくなったのがこの、

THE T
「T」の文字をあしらったティーカップ
「T」は「Tea」と掛けているんだろうけど、そんなコトはどうでもよくて、カップとソーサーをくるくる回すと「ピッタリはまるトコロがある」という遊びゴゴロがなんともイイ。(・∀・)イイ!
コレを紹介したジョンソン氏自身も、「ミーティングで使ってもらえれば、みんながカップとソーサーをくるくると回すハズ」と言っているくらいなのだ。

最後は2005年にEUの議長国を英国が務めた時に使われたロゴ。

EU議長国
白鳥は先頭が牽引役となり、後続は風の抵抗を受けずに飛ぶコトができる。
また、先頭の牽引役は適宜交代する。
そして、EUというと何かと象徴的に使われる「★(星)」を使いたくなかった。
そんな気持ちを込めてデザインしたのだという。
単なる「シャレ」だけではなくて、結構考えているのである。

そんなジョンソン氏がデザインを思いつくのは、「少なくとも机の前ではない」という。
あれこれ考え、思いを巡らし、トイレや、風呂や、場所を選ばず思いつくのが彼のデザインなんだそうだ。
「インスピレーション」なんですな。
そして彼のインスピレーションを刺激する都市が、ロンドン、パリ、NY、そして(ホントかどうかは知らないが)トーキョーなんだそうだ。
さらに「どうやって(How to)デザインを思いつくか」についての詳細は、「後日、本を出す」んだとか。w
曰く、「最も良く聞かれる質問で、そして簡潔に答えるコトができないのが、このデザインについてのHow to」なんだそうで。
そりゃそうだよね。

そんなワケで、意外に気さくで、非常に聞き取りやすい英語を喋るジョンソン氏。
同時通訳の助けがほとんど要らないトークショーは、「タダでは勿体無いもの」だった。

D&AD President
ちなみに、この「半ズボンでポーズを取っているオッサン」は、一緒に来日していたD&ADの社長(President)。
デザイナーでもある彼は、グラフィックデザインからアパレルデザインまでこなす「万能」のデザイナーで、この「半ズボンのスーツ」も彼のデザインによるものなんだとか。
ユナイテッドアローズで売ってるよ。安いよ。」
と連呼していたが・・・

出来れば、ズボンは長いほうがイイ。(・∀・)イイ!
「気さく」を通り越して、コメディアンみたいな社長だった。