NEXT −ネクスト− 試写会

dubrock2008-04-15


幸運なことに招待状が届いたので、試写会に行ってきた。
今回観た映画は、映画の時にはうっすら毛の生えたヅラを被るというニコラス・ケイジ主演の「NEXT−ネクスト−」。
試写会には先週行ったばかりだったので、本来ならば今回の招待はスルーしたいトコロだったが、ニコラス・ケイジの出る映画は結構面白いのが多かったりするので、ちょっと無理して行ってきた次第だ。
そして感想を先に言ってしまえば、「行った甲斐はあった」映画だった。

いつも思うのだが、ニコラス・ケイジって「ちょっとキモい感じ」がする。
だが私生活でもモテモテで、たしか最近とても若い奥さんと結婚したばかりのハズだ。
そう、最初のキモさに見慣れてしまうと、だんだん違和感が無くなってくるのだ。
劇中でもヒロインのリズに最初は、

psycho[ saikou ](サイコゥ)
*1[名](複〜s) 精神病質者.
━━[形]精神病質の.
と呼ばれていたクリス(ニコラス・ケイジ)が、結局はリズを落としてしまうのである。
ニコラス・ケイジとはそんな、「不思議な魅力」を持った俳優だとつくづく思う。
(うすらハゲなのにね。w)

映画は公式サイトでも紹介されている通り、「たった2分だけの予知能力を持つ男vs核爆弾テロ!!」というストーリーだ。
で、我らがヒーロー、ニコラス・ケイジが、ダイニング・バーでマティーニを飲むシーンから映画は始まるのだが、しばらくしてそのダイニングでヒロインのリズ(ジェシカ・ビール)にクリス(ニコラス・ケイジ)が告白するシーンでの演出が、この映画の特徴となる。
どんな演出かというと、アメリカの連続ドラマ「トゥルー・コーリングな、まあそういうカンジの作り方だ。
(分かるヒトには分かる。)
なので、主役のクリスが撃たれてしまっても、驚くことなく安心して観ていられる。
そういう暗黙の了解の下で進行していくドラマなのだ。

そしてその「暗黙の了解」が守られる度に、観衆は安心する。
そんな安堵のカタルシスが何度も解消されながら、ストーリーは着々と進行して行くのだが、その規則性が最後の最後で破られる。
破られて、「アレ?この映画、あと何分あるのだろう?」と心配になった瞬間に、エンディングとなる。
最後の最後まで監督に騙されつづける映画なのだ。
そんな造りなので、逆向きに流れるエンドロールが終わった後に、「(この監督なら)何かあるんじゃないか」と期待してしまって、劇場が明るくなるまで席を立つコトができないタイプの映画だった。
(このタイプは久しぶりだ。)
そしてそんな、「昔こういうのがあった」を知る映画好きの期待を最後まで裏切らない、そんなタイプの映画だった。

ちなみに今回の会場は、有楽町「よみうりホール」。
その特徴的な客席レイアウトもさることながら、ここんとこ続いた九段会館とは違って、大空間にキッチリ効いた空調と、大音量で、しかし「うるさくない」音響。
そんな快適なキャパ1100人の大ホールに、招待客の入りは95%といったトコロだったろうか。
その1000名ほどの招待客の、8割方が「何か」を期待して最後まで席を立たなかった。
これは帰り道の混雑を避けてエンドロールが流れた瞬間に、いや、「もうそろそろ終わりそうだな」というあたりから帰り支度を始めるのが当たり前の「映画試写会」において、とっても珍しいコトだと思う。

2分先を見通せるクリスを眠らせる為に、FBIが用意した睡眠薬は「5分後に効く」ものだったりと、細部の小道具に至るまでよく出来ている。
そんな名監督に敬意を表して、是非とも劇場で観て頂きたい。
そんな満足度合格点の映画だった。
無理して行って、本当にヨカッタ。

*1:略式