ミーハー

dubrock2008-04-29


ガソリンの暫定税率が、復活しようとしている。
「地方には、またまだ道路を必要としているヒトがいる」
というマスコミの世論誘導に乗せられる形で、問責決議だ難だといった民主党の強硬姿勢も次第にトーンダウンし、今回の再議決については「とりあえず容認」 の構えとなった。
なんだかんだと綺麗ごとを並べても、しょせんは「寄せ集め所帯」。
何より、当の党首が道路利権の塊みたいな人なのだから、「あまり煽らないで頂きたい」旨の申し入れがマスコミ各社にあったとしても、何ら不思議ではない。

いずれ上げなくてはならないとはいえ、「働き過ぎ是正」の為に政府の肝煎りで作られた春の大型連休にぶつける必要は無いだろう。
影響はその為に連休返上で対応に追われる石油業界のみならず、データの集中が見込まれるクレジットカード会社から、配送体制の増強を強いられる運送会社まで多岐に渡っている。
それもこれも、一般消費者の「買い溜め行動」によるものであって、そも日本の物流とは「今日買うトイレットペーパーを、一つではなく二つつかむ」だけで破綻してしまうくらいデリケートなものなのだ。

テレビに煽られるように、早々と自家用車を満タンにするユーザーが増えている。
暫定税率復活にNO」
という姿勢は褒めたいが、血相変えてスタンドに殺到するほど、自家用車にガソリンは入らないものである。
入ってせいぜい50リッター。
1500円も節約出来ればいいトコロではないだろうか。
それでも全体としての、この駆け込み需要による損失は大きいのだろうが、これでスタンドが品切れにでもなろうものなら、買い損ねたドライバーが大暴れして大変なことになるだろうと、そんなコトを考えてしまうのである。
きっと、たった1500円の節約で、さも生死に関わる問題みたいに言われるに違いない。
実にバカらしい。

暫定税率が失効した時、福田首相は「国民生活に混乱を招いた」と謝罪した。
復活での混乱は、その比にならないものになるだろうが、果たして何と釈明するのだろうか。
だいたい、「黙って集まるもの」として浪費された道路特定財源の、精査と再発防止策はどうなったのか。
一般財源化は確かなのか。
「暫定」としての10年延長に何故こだわるのか。
田中角栄の作ったこの難解なシステムへの疑問は、何にも解決されていない。

と、いくら騒いだトコロで、自動車をガソリンで動かしているうちは逃れられないのがガソリン税
家庭用コンセントから充電するハイブリッド車か、水素燃料電池車か、いずれ早めに脱石油化をしなければ、「バーレル200ドル」を目指す勢いの石油に、大好きなドライブまで奪われてしまいそうなのである。

あ、ちなみに、暫定税率がホントに復活して、市場が値上がりした場合でも、高速のスタンドは値上げが遅れる仕組みになっている。
抗議行動の一環として、みんなで並んでみてはどうだろうか。

ま、上がらないに超したコトはないのだけれど。