レボルバー試写会

dubrock2008-05-20


幸運なことに招待状が届いたので、試写会に行ってきた。
今回観た映画はリュック・ベッソン製作の「レボルバー」。
最初に断っておくが、ここから先あんまりイイ事は書かない。
なので好印象の感想をお探しの方は、他を当たって頂きたい。

ハリウッド映画風のポスターに「リュック・ベッソン」と聞いて、試写会に申し込んだのではあるが、いざ招待状が届いて改めて「レボルバー」について調べてみると、「良くないシグナル」があちこちに見受けられる。
アメリカではなくヨーロッパの配給会社であったり(クレジットでは「イギリス・フランス合作」となっている)、実は2005年に製作された映画だったり。
それに、「『あの』TAXIのリュック・ベッソン」と言われて騙されちゃったりするが、「TAXI」という映画自体が『…』だったというのを思い出したりもするのである。

とにかく、「やっちゃった感」はプンプンしながらも、せっかくご招待頂いたからには行かないワケにもいかない。
ま、「試写会」なんて、元来そういう趣旨のものではないかと自分に言い聞かせて、会場へと向かったワケである。

開場の10分前に到着すると、既にソコには長蛇の列。
それも開場と同時にすんなりと飲み込まれ、30分後の開映を待つばかりとなったのであるが、ココで「酒井彩名さんのトークイベント」がサプライズ企画として差し込まれた。
最初こそ「おぉー」という空気だった会場も、次第に「早く映画始めろよ」という雰囲気になる。
そもそも「酒井彩名」と「レボルバー」の必然性が、最初から全く無いのである。
しかも「酒井彩名」て、どうよ。
いくら仕事とはいえ、こんな「完全アウェー」な状況で、時間まで自ら舞台を降りることが許されない芸能界とは、何とも厳しいものである。

そんな余計なサプライズで15分遅れた本編上映。
それでも、最初の30分はそこそこ楽しめた。
というか、むしろ「面白かった」。

「詐欺師」のハナシである。
「騙すか、騙されるか」みたいな展開で、銃とかもガンガン撃っちゃう。
スリリングである。
それが、途中から騙されまいとする内面心理の描写に変わって行き…、

あのね、うまく映像化する術を知らないなら、するな。

というか、「何とも実験的」というか何と言うか。
ともかく、このワケの分からない演出がしつこ過ぎて、「ギブアップ」なのである。
(ちなみにこの演出は最後まで続く。)

それでも、「騙されるな」「全てを疑え」と囃したてられた作品なので、「一体『ゴールド』とは誰だったんだろう」というトコロまで確認しなければ気が済まない。
その一念だけでひたすらした「我慢」が報われないエンディングに、落胆。
というか、「あーやっぱり」か。
まあ、フランスの映画とかはこのテが多いので、観る前からしていた予感を確認する結果になったのであるが、この部分を指して「全てを疑え」というコトであったなら、配給会社もヒド過ぎだ。

もっと尺を詰めて90分くらいで。
そして、ラストに凡人にも分かるような「オチ」と「種明かし」を。

やっぱりヨーロッパの映画は好きになれない、と再確認した夜だった。
セリフがフランス語ではなく英語だったのが、唯一の救いだろうか。
そんな、テレ東で平日の午後2時くらいにやってる的映画だった。