情報の開示が先

dubrock2008-05-25


「東京・強姦救援センター」が、資金難だという。
この市民団体は、性暴力被害に遭った女性に、無料で電話相談に応じてきた、設立25周年のボランティア団体だという。
その活動の意義を否定するつもりはない。

それよりも、何故「ボランティア団体」が赤字になるのか

それが気になってならないのである。

電話を受けるのであれば、電話代は基本的には掛からない。
ただ、電話を受ける「場所」は必要である。
最初は、趣旨に賛同した有志が持つ場所を間借りしたのかもしれない。
でも25年経った今はどうなのだろうか。
「所在地」として私書箱しか公開していないこの団体が、「地代・家賃」についていくら支出しているのか、非常に興味がある。
まさか閑静なオフィスビルにデンと構えてたりはしないのだろうか。

レーニングを受けた女性スタッフが相談に応じ、弁護士なども協力しているという。
その業務、その言い方だと「まるきりの無報酬」というワケではなさそうだ。
「トレーニングを受けた女性スタッフ」は、常勤するとどれくらいの報酬になり、一日あたり何件の相談を受けるのだろうか。
それらが積み上がって、年間でどれくらいの人件費支出になり、また弁護士報酬にはどれくらいの支出をしているのだろうか。

出版物も多数ある様だが、事業収益としての採算はどうだろう。
25周年を記念して作った「オリジナル便せん」だって、会員からどれくらいのニーズが有ったというのか。

繰り返すが、この団体がどうこうと言いたいのではない。
ただ、公の新聞紙面を用いて声高に寄付を呼び掛けるのであれば、同時に最低限の情報開示をするというのが、受け取る側の最低限のマナーではないかと思うのだ。
それを、「スタッフ養成講座の受講が減り、収入減から赤字になった」とだけでカネをくれとは。
何ともムシの良いハナシである。
「良過ぎるハナシ」である。

この団体に限らず、運営が頓挫しそうな民間団体や、協同組合、事業組合の類は多い。
本業が振るわず、組合費などが払えなくなっているというのもあるが、バブル崩壊後におしなべて下げられた賃金体系が、組合内だけ温存されていたというのが主な原因だろう。
リストラを繰り返し、社長の賃金を返上してまで黒字化に努めて来たのに、業界団体の職員には年収800万級がズラリ、ではやりきれない。

「お手手繋いで護送船団」方式で皆が儲かった時代は終わったのだから、業界団体である「協同組合」の類も形態を変えなければなるまい。
ある人が、「今後協同組合はNPO法人に姿を変えるべき」と言っていた。
それは単に組織形態を変えればいいというのではなく、「意識を変えるハナシ」だそうだ。

言うは易し、行うは…

なのだが、前述の市民団体の皆さんはどう思っているのだろうか。
「有意義な活動をしてきたんです」と繰り返して沈むのを待つか、受益者負担の原則に立ってダイヤルQ2を導入するか。
今ある報酬を放棄出来ないなら、あとは2つに1つだと思うのだが。