メンヘラ

dubrock2008-05-28


元TBSアナウンサー川田亜子さん自殺のニュースには驚いた。
表向き「仕事の上での悩み」(本人が希望する「報道」の仕事よりも、意図しない「バラエティ」の仕事が多かった、とか。)というコトになっているが、実際のトコロは所属事務所の社長との「人間関係のもつれ」が原因らしい。
なんでも、「婚約」していて「近日挙式予定」と周囲に吹聴していたが、相手の男性はそうでもなさそうだ、という女性週刊誌の記事が一番近いのではないだろうか。
こういった場合「突然の転職」とかが逃げ道になるのだろうが、これだけ顔の知れたヒトではそれも難しかろう。
しかも両親にまで会わせていたとなれば、一番の逃げ場となる実家にも行きづらい。
29という崖ップチの年齢でこの八方塞がりでは、死にたくなるもの分からないではないが、ナニも死ぬコトはなかっただろう。

死の直前、今月(5月)に入ってからの彼女(川田さん)のブログでは、そういった葛藤を暗示させる文章が掲載されていた。
一部は事務所の判断により削除されていた。
この「文章」というのが特徴的で、「メンヘラ」と呼ばれる女性特有のもの。
「ブログ」という、ある意味「公共の場」において、不特定多数の読者へのメッセージを装いつつも、「ある特定の人」に宛てた文章を掲載する。

「このコトは、二人にしか分からないよね?」的な意味合いで。

しかし元来文章力が稚拙な上に、精神的に「病んでいる」状態なので、一見して意味不明瞭。
でありながら、書き手の置かれた状況や過去の記事などを参考に類推すると、「誰に宛てた」、「だいたいこんな内容」というのが分かってしまうというのが共通した特長である。
しかも最後は、「死」を暗示する内容に落ち着くというのも、これらに共通のコトとなる。

「病んでいるのだから、しょうがない」

「鬱」が現代病として認知され、「精神科を受診している」というのが「ステイタス」とされ始めた昨今にあって、この「軽く病んだ状態」というのに社会は過剰に寛容になりつつある。
ヘンなコトを書き出した段階で「危険フラグ」が立っているのだが、「ヘンなコトを書いた」というコトでお目当ての「彼」からも優しくされたりすると、この「ヘンなコトを書く」というのが「彼」に対する唯一のアピール手段となり、構って欲しいばかりに何度も「ヘンなコト」を書くようになる。
それが「狼少年」的な扱いになって、お目当ての「彼」からスルーされるようになると、内容はもっと深くせざるを得ないし、実際ソレに近い行動もしなければならなくなってしまう。
その延長線上にあるものが、自傷行為であって自殺なのではないかと個人的には思っているのだが。

こういった場合、見知らぬ第三者からの「がんばってください」的な激励コメントが、本人を余計に追い込む結果になるから始末が悪い。
かくいうワタシはと言えば、サラリーマン時代に直属の上司が「鬱」を発症して以来、「鬱」に対してあまりいい印象を持っていない。
散々偉そうなコトを謳って、挙句に突然の入院。
しかも3ヶ月。
でも、それで仕事に開けた穴とかは実際のトコロどうだっていい。
それよりも、「気にするな」「気にするな」と言い聞かせられて、抗うつ剤を服用しているのもあるのだろうが、そんな「鬱で入院していた」なんてコトすらコロっと忘れたかのような復帰後の振る舞いに、憤りを覚えたのである。

ヒトに迷惑かけたコトぐらいは、自覚せんかい

まあその自意識過剰が「鬱」の引き金になっているならば、「無理しない、気にしない」というのが最大の療法になるのだろうが、「病んでいる(いた)」というのを何事についても免罪符としていいのだろうかと、些かの疑問を持たずには居られないのである。

いずれこの事務所社長とかジャニーさんのナハシというのは、芸能ニュースでは「最大のタブー」とされているようなので、このことについてさらに続報が出るとは思えない。
「死の理由が分からない」という事務所の公式コメントで「幕」となるだろう。

ちなみに

メンヘラーとはメンタルヘルスを略したメンヘルに、英語で「〜する人」といった意味にする接尾辞“-er”をつけたものである。
メンヘラと語尾を延ばさないことが多い。
だそうだ。
あまり市民権を持って欲しくないコトバの一つである。