政争の具

dubrock2008-05-30


知り合いに『カルロス・ゴーンの右腕』と言われるヒトが居ましてね…

車を買い替えるハナシから出て来た知り合いのこのコトバに、その場に居合わせた全員が浮き足立つ。
それってもしかして、CMで撮影に使った車とかが、タダで回ってくるハナシじゃないのだろうか、と。

そしてハナシが、「『カルロス・ゴーンの右腕』から紹介されたセールスマン」から車を買うハナシであったコトが分かると、聴衆は蜘蛛の子を散らすように離れて行ったのである。
そんなハナシは買ってからしてくれ、と。

ゴーン効果でV字回復を見せた日産自動車であったが、その後の「ゴーンの手法ってベタじゃね?」という囁きとともに失速。
一時はホンダに「国内2位」の座を奪われたりもしたが、最近では少し盛り返したカンジ。
ゴーンさんの実力なりの成長とは、むしろコッチのほうなのかもしれないと思う昨今なのだが、マーチ・コレットを新車で買うと、その車一台の一年分のCO2排出権が、日本政府に寄付されるキャンペーンを展開するらしい。

それってスゴくない?

なのだが、詳しく聞けば寄付されるCO2の排出権は1トン分であり、それはおおよそ4000円ほどで売買されているものだそうだ。

なんだ、そんなもんか

それが率直な感想であって、日産自動車としては「CO2の排出権料を販売価格に転嫁しない」と明言しているらしいが、その分値引きがシビアになるとか、内装仕様に予めコストが織り込まれているとか、100万円の買い物に4000円位ならいかようにも出来るワケで、この画期的なオマケに「話題取り」以外の何も感じなくなってしまう。
だいたい、「値切られたらサービスマットを付けない」とか、「納車緒費用で元を取る」とか、新車のセールスには不明瞭な部分が多すぎるのだ。
(これこそ「総額表示」を徹底して欲しいと、声を大にして言いたいトコロである。>>トヨタさん)

それに、「プリウス累計100万台」、「ホンダはハイブリッド車のラインナップを増強して対抗」と騒がれている時代に、「CO2排出権を政府に寄付」では、いくら環境指向が業界のトレンドとはいえ弱過ぎるだろう。
それでも、立ち遅れた環境対応分野で、こんなカタチであれなんとか乗っかろうとする姿勢だけは認めたいと思う。

U2」の「ボノ」が来日しているらしい。
東京湾の埋め立て地に植樹したり、慶応大で名誉博士号を貰ったりと忙しいようだが、若い世代で「U2のボノ」を知っているヒトはどれくらいいるのだろうか。

こうやってメディアでも取り上げられるくらいだから、海外では有名なヒト(なんだろう)。

世間ではその程度ではないのだろうか。

80年代にヒット曲を飛ばした。
それも「たくさん」ではなく、「ほんの数曲」。
当時から「政治的な発言や主張」が「ボノ」の肩書きだったが、そもそもが「(反体制的な)ロックンローラー」にあって、何故か「西寄り」「欧米人受けする内容」の発言が気にはなっていた。

「そのうち政治家にでもなりたいんだろう?」

という匂いが、その頃からプンプンしていたのである。

そんな「ロック」なんてあるかい。

そう言いたい気持ちもさることながら、いつの間にか「環境問題とアフリカ貧困問題のボノ」になっていた。
その変わり身の早さとセンスだけはたいしたものだろう。
彼にとっては「環境」も「アフリカ」も、「ただのメシのタネ」でしかないに違いない。

誰も新曲を知らないのに、「U2のボノ」。w

20年前の一発屋を有り難がる日本が、彼もきっと大好きだろう。

後期高齢者医療制度を政争の具にするな」というのが最近の流行りのようだが、「環境を企業イメージに利用するな」、「環境をメシのタネにするな」、とむしろコッチのほうこそ声高に言いたい。
そんな、「たった4000円で社会貢献」のハナシだった。