水の惑星

dubrock2008-06-25


ひょんなことから飼うことになったピラニアの「水槽」が、気になって仕方がない。
それというのも設置場所に問題があって、一般的な「客間」とか「玄関」に置いていればさほど気にならないものを(ま、「客間」などハナから無いのだが。)、あろうことか「居間」に置いてしまったことが大きい。
つまり、これを書いている「今」も含め、在宅中のほとんどの時間を、ピラニア水槽に向かって過ごしているのだ。
これで気にならないワケがないのである。

「気に掛ける」というコトは、何らかの手を掛けるというコト。
とはいえ犬じゃないんだから、ボールで遊びコトも、ましてスキンシップすら必要が無いのである。
必要なのは日に2度ほどの給餌と、数日に1度の「水替え」くらい。
なので必然的に、「水替え」の頻度が結構高くなってしまうのだ。
(ま、実際には、急激な水質の悪化もあるにはあったのだが。)

ま、「水替え」は生体にとってイイことであるし、じき飽きるまでの一過性のものであるから、たいした問題はないのだが、その「水替え」に要する「水」もココまでマメにすると、結構な消費量となる。
最初は、たまたま汲み置きしてあった例の水を使っていたのだが、そんなに無尽蔵にあるワケもなし。
まさかピラニアの為に水を(蔵王まで)汲みに行くとも言えず、つまり水槽に使う水の調達が急務となってしまったのである。

「水道水のカルキ抜き剤」が売られているトコロを見ると、コレを使って水道水を中和している方が一般的なのだろうか。
でも、いくら「中和された」とはいえ、化学物質オン化学物質の水は、ちょっと抵抗がある。
(てか、オレは飲みたくない。)
ショップで売っている数万円もするフィルターは、大量の水を必要とするマニアか、海水魚の飼育者くらいのものだろう。

となると…

そう考えていた矢先、カミさんに付いて行った近所のスーパーに、素晴らしいものを発見してしまった。

純水のディスペンサー

そう、「純水のディスペンサー」だ。
「最初に専用の容器を買い求めれば、以後この機械から水を取り放題」というのが一般的で、この店の場合は4リットルの専用容器が650円だった。
ま、これを「高い」と思うか、「安い」と思うかはそれぞれだろうが、ともかく塩素を除去する為の中空糸膜フィルターは何かとメンテナンスが面倒なので、この設備を利用させてもらうコトにしよう。
(ま、このお店も設置直後だからこの状態だが、年数が経てばどうなるかは定かではない。)
カミさんの買い出しにお供して、水をゲットしてしまおうという寸法だ。

ちなみに、「不純物を99.9%取り除いた純水」というのがこの設備の売り文句ではあるが、その元になっているのは利根川水系下流域から取水した「水道水」であることに違いはない。
つまり、どんなに不純物を取り除いたとしても、水源の水質による限界があるというコト。
(とはいえ、熱帯魚水槽の水としては十分「贅沢」ではあるが。)

隅田川リバーサイド

これは、先日首都高速からの眺望に釣られて千住の隅田川リバーサイド再開発地域を訪れた時のことであるが、その「水」の生臭さに驚いた。
下水道が完備されて、荒川・隅田川の流域から東京湾にかけての水質も回復し、「しじみ」などが再生しているとTOKIOの番組などでやっていたが、それが信じられないぐらいに「臭い」のである。

と、今度はこれに反論するかのような内容の番組が放映された。
それは、荒川・隅田川からの流入により東京湾の水質が悪化し、貝類の大量死から赤潮の発生が起こっているという内容のもの。
それというのも、許容量を超えた雨水の流入があると下水処理場はオーバーフローし、つまり未処理の汚水もろとも放流するのが原因であるという。
近年の降雨の集中豪雨化に起因するのだろうが、そもそも雨水と汚水を分けない共同構が下水道の主流というのが問題の根本だろう。
(とはいえ、じゃあ雨水は処理しなくていいかというと、そうもいかないというのもあるのだが・・・。)

やっぱり、「隅田川下流域はまだまだ臭い」というのが正解のようだが、これを「キレイ、キレイ」と言うのには何か政治的な力の存在が感じられる。
そんなコトに思いを巡らせながら、4リットルの純水が溜まるのを眺めていた次第なのである。

ユニセフ

「きれいな水」って、なかなか難しいのである。