カーボン・ヘブン

dubrock2008-06-30


洞爺湖サミットを目前に控え世間がエコ一色となる中で、鉄鋼を中心とした「火を燃やしてナンボ」のメーカー達が、こぞって国外脱出を計っているという。
その逃亡先は主にブラジル。
なんでも、「途上国」という括りで京都議定書温室効果ガス排出削減義務が課せられていないというのが、その主たる要因らしい。

新聞の取材にそう答えてしまっているJFEの馬田一社長殿などは、「温暖化は地球全体の問題であって、日本で出さなければ済むというハナシではない」というコト、本当に分かっているのだろうか。
否、「本当に」分かっているならば、たとえそういう経営戦略を敷いていたとしても、またそれが、「途上国で3分の2を生産する」ライバル、アルセロール・ミッタルに対抗する手段だったとしても、新聞の取材に応じてヘラヘラ喋れる内容ではないハズだ。
つまりこの発言で、「JFEは地球の温暖化について、ホントは知ったこっちゃないんです」というコトが浮き彫りになってしまう。
「分かっていない」のである。

もしくは、この大企業の立派な社長さん(だけ)がバカなのか。
「(その姿勢、)日本を代表する大企業の社会責任として、どうよ!?」
そう問われたならば、こう答えるしか方法はないだろう。
なにせ、チンパン宰相が人気集めの為に繰り出した、断末魔の重点施策に逆行しているのである。
そんな「宣言」なのである。
「バカ」以外に釈明の余地はないだろう。

二酸化炭素を排出したくないのであれば、企業活動など止めればいい。

「ひたすらに利益を追求」する企業活動と、「エコロジー」は相反する行動であって、原油を精製して製品として販売する「コスモ石油」の環境活動「アースコンシャスアクト」など本末転倒過ぎて、笑い以外の何も湧いて来ない。
「突き詰めれば、ウチが原因でした('◇')ゞ」
なんてオチは、もう誰も期待していないのである。

以前、有り余っている東欧諸国の二酸化炭素排出権を、日本企業が買い漁っている現状について同じようなことを述べた記憶がある。
確かに、「余っているなら売ってくれ」と「縛りがないからそっちで出す」は似ている行動ではあるが、根本的に異なるものである。
二酸化炭素排出権取引で得られた資金は、「基本的に環境対策支出として使う」という縛りが設けられる場合が多いが、ホントのトコロは分かりっこない。
現地に工場を建設する場合には、雇用の創出などの経済メリットも考えられるが、「公害」に「資本家の搾取」とデメリットも大きい。

「それでいいのか?」
というハナシ。

真剣に地球温暖化を考えるのであれば、「火を焚いてナンボ」の鉄鋼に電力こそ、排熱で二酸化炭素を液化して、深海に保管するぐらいのコトをしたっていいのではないだろうか。
自ら排出する以上の二酸化炭素を処理したならば、十分「エコ」として称えられる。
バラ撒くだけが能じゃないのだ。

ところで、年金の不始末に後期高齢者医療制度原油から始まる物価高騰、更に賃金の頭打ちに格差社会と、「食っていくことに精一杯」な状況の中で、元環境大臣マダム・スシ」始め時の宰相までもが「カンキョー」「カンキョー」言うのは、果たして支持率アップに繋がっているのだろうか。
これでサミットが仮に成功を納めたとしても、下がり続ける支持率に歯止めは掛からないと思うのだが。
(まあそれ以前に、引退の決まったブッシュがそもそも「環境」には後ろ向きなので、「成功」など有り得ないのだが、「北」に大幅に譲歩する見通しとなった今では尚更だ。)

コンビニの深夜営業自粛?
なら24時間営業のスーパーはどうすんのさ?w
ドラッグストアは?

そんなんで環境配慮なんて、妄想だよw