若いっていいねぇ

dubrock2008-07-09


「あいちゃ〜ん」
朝から「いいオッサン」である大塚さんが、猫なで声を出している。

「オヤジが若い娘の前でハナの下伸ばしてんじゃねぇよ!」

そう言ってしまえば簡単なのだが、「女子アナ」といったら「フジテレビ」の看板アナである「アヤパン」に「ナカミー」を持ってしても、やっぱり若さには敵わないのである。
原稿読みがグズグズでも、「六義園(りくぎえん)」が読めなくっても、たとえアルバイト感覚で仕事していたとしても、ちっとも腹が立たない。
それが「若さ」なのである。

とはいえ、今ここで言う「若さ」とは、無鉄砲で怖いもの知らずで、誰に対しても突っかかっていくような「十代の煌き」とは異質のもの。
社会人になり一通りのビジネスマナーも身に付け、先輩の見様見真似でなんとか一人前に仕事をこなそうとしている、そんな一途な若者の「若さ」についてのことだ。

「若者」の研ぎ澄まされた感性には目を見張るものがあり、本音としては頑として認めたくないものだが、正直30を過ぎた自分よりも「優れている」と認めざるを得ない部分が多々ある。
体力もある。
メールの返信時刻が「午前2時30分」とかだったりすると、もうそれだけで何とかしてやろうという気にもなってくる。
新しいものへの順応性も高いので、それらを駆使した仕事も早く、また「良いもの」が作られる。
これら卓越した能力はややもすると「傲慢」になり、それは先輩への侮蔑というカタチで現れる場合が多い。

「オレがアイツの部下なんて納得できないっすよ。オレの方が仕事も速いし、実際アイツの仕事だってほとんどがオレの手によるもの、オレのお陰なんですよ。」

時にこういう愚痴を溢す若者にも出くわすが、やはりここまで鼻が伸びてしまっては「へし折る」しか方法はなさそうだ。
ワタシがもう少し優しかったなら、その鼻をへし折る役目に付いてあげるのだが、サラリーマンを辞めてからそういう気がとんと失せてしまった。

「なぜアナタが、「アナタよりも能力の劣る」と言うその「先輩」よりも、会社内で評価されないのか」

について教えてあげるほど、もう優しくなくなってしまったのである。
ま、本来ならば、その「圧倒的な経験」で、若い人の研ぎ澄まされた感性に太刀打ちできる能力こそ、「先輩」に求められた資質ではあるのだけれど、悲しいかな世間には、そういった資質に欠ける「先輩」が多いのも事実である。
ともかく、天狗になった鼻をへし折られる愛情を受けられない若者は可哀相である。
じき組織から浮いて、自ら組織を去るしか道は無くなるだろう。
それは本人にとっても組織にとっても損失ではある。
しかしながら、そもそもは謙虚さを失い天狗様になった本人の問題。
「自己責任」であって「自業自得」なのである。

ハナシを戻して「謙虚さを失わなかった若者」のこと。
真面目である。
はっきり言って「メンドクサイ」、若者風に言えば「ウゼー」仕事をお願いしたのだが、快く引き受けてくれた。
時間的にもかなり厳しいのだが、「何とかしてくれる」という。
何とも心強いものだ。
頼んだコチラはというと、もうその打ち合わせで8割方の仕事は終えてしまった。
彼が口にしたコトバを思い出しながら、打ち合わせの内容をテキストに書き起こせば、残りの2割は完了である。
メールで知らせた内容を確認するような打ち合わせに、彼は疑問を持っただろうか。
こちらからすれば、「このハナシを若い感性で聞いたら、どんなイメージを持つのだろうか」が知りたかっただけなのだが。

まあ、それに気付くのは、おそらく10年以上経って、彼がワタシくらいの歳になったら。
そう思いながら、若い人の仕事の仕上がりを待つことにしよう。