ちょー、お前ら漁りすぎー

dubrock2008-07-23


原油高騰による燃料価格の値上げによって、漁師が「食っていけない」と騒いでいる。
燃料となる軽油(免税)や重油は、ガソリンのように課税されていない分原油の価格転嫁の影響をモロに受け、「率」としては最大の300%を超えるアップだ。
あんな、原油からガソリンを絞った「残りカス」みたいな油がリッター100円を超えては、そりゃ採算も取れなかろう。
というか、「残りカス」だからこそ安価で大量に供給される。
それが前提の船舶燃料だったハズだ。
今の値段で成立つハズがないのである。

中でも「漁火」を灯すイカ釣り船が、その発電に費やす燃料と相俟って『苦境』らしい。
でも、いくらイカを集める為とはいえ、なんで大海原で裸電球を灯すような「非」効率的なコトをやっているのだろうか。
いくら「漁火」とはいえ、「炎」ではなく「電球」なのだから、もっと水面近く、いやむしろ水中に入れてしまってもいいのではないだろうか。
光は水面でその9割方が反射してしまうというのだから、あの電球の光の1割ほどしか、水中にいるイカを集めるのに使われていないのだ。

何と非効率な

なのだが、「漁火」の水中での使用はお上が禁じているのだとか。
その禁止の理由がなんと「効率的すぎるから。」w
つまり全国のイカ釣り船が、全て水中に漁火を焚いて漁をしたならば、日本近海のイカが涸渇してしまうというコトなのだ。

スーパーでイカが1パイ100円。
末端の売値が決まっているから、浜値は1パイ50円。
どんなに経費が掛かっていても、この線が変えられない。
燃料が高ければ赤字になる。
だから、燃料高騰分を補填してくれと漁師はいうのだが、さてどうだろうか。

漁業関係者の皆さんのお陰で、確かにイカなら1パイ100円で手に入る。
でも、浜値1パイ50円が採算割れするのであれば、漁らなければいいではないか。
何故、「漁れば漁るほど赤字」なのに、毎日漁に出掛けるのか。

「仕事をしなければ食っていけない」

それは誰しも同じコト。
「大工見習い一日授業料5000円頂きます」と言われて、誰がノコノコ行くというのか。
そういうコトではないのだろうか。

市場に出すというコトだから、漁協の扱いが一般的か。
漁協から燃料を買っていたのでは、水揚げから燃料代を差し引かれて手元に何も残らない。
水揚げを漁協に出して、燃料は民間業者から調達し、支払いをジャンプする。
もしくは、燃料を漁協から調達しておいて、水揚げは自主流通で捌く。
それでも、漁協の支払いをジャンプしないと手元には残らないではないか。
やっぱり、「赤字だけど出漁する」は問題をごく短い期間先延ばしするだけで、何の解決にもならないのである。

「米」を主体とする農家は、兼業かもしくは年金受給者でないと、生活出来なくなって久しい。
それが「ねじれている」とか、食糧自給率的にどうよとかいう議論はともかくとして、「成立たないからしない」というのは間違いではないと思うのだ。

何度も言うが、漁業関係者の皆さんのお陰によって、確かに食卓には新鮮な魚が安く並べられる。
それは認めるのだが、値段が上がらないのはつまり供給過剰、専業の関係各位が多すぎるのである。

そんなワケで、気休めな燃料補助など求めずに、油を使わない航行について考える、考えた人間だけが専業として生き残れる。
そんな行動が求められているのではないだろうか。

イカが1パイ100円にしかならないから、赤字。
だから補填してください。
それが通用してもらってはコチラが困るのだが。