徳市の恋

dubrock2008-08-21


少し前に公開された、「徳市」という盲人が主人公の映画。
主演のクサナギくんが、ジャニーズにあるまじき演技をしていたのが印象的だったが、あれがリメイク前の原作を、ただただ忠実に再現することにのみこだわって作られたと聞いて、俄然興味が湧いた。
で、是非とも観たいと思っていたのだが、結局ご縁がなかった様だ。

正直なトコロ、あまりにリアルな盲人の描写は、直視に耐え兼ねる。
いくらそれが真実とはいえ、映像化にあたってはキムタクの「武士の一分」ぐらいまでが限界だろう。

それは障害者蔑視

とお叱りを受けてしまいそうだが、作品にもクサナギにも障害者にも、特段の興味の無い世間一般の平均的な嫁さんを連れて行かなければならない都合上、それで特にサプライズもなく淡々と描かれる「徳市」の日常では、やっぱり怒られてしまうのである。

劇中で「徳市」が、脇を通り過ぎた「風」と「匂い」で、何人の人間が通ったかを言い当てる下りがある。
いや、「ある」というか、予告編でそういうシーンを観た。
それで、盲人とは目が見えない故、視覚以外の感覚が敏感になって、見えなくてもあたかも見えているかの様な振る舞いが「できるものだ」と勝手に解釈していた。

「盲人」と言うと生まれつき目の不自由な、先天的な視覚障害者をイメージしがちだが、実際のトコロは高血圧や糖尿病に起因する、後天的な視覚障害者がかなりの数を占める。
この「後天的な視覚障害者」の方は目が見えていた期間がある分、なかなか視覚以外の感覚で生活することに慣れていない。
のみならず、たとえ先天的な視覚障害者であっても、やっぱり「声」ぐらいは出して貰わないと分からないらしいし、たとえ「声」を出されても一度や二度の面識ではとても誰だか分からないらしい。

つまり、劇中の「徳市」は「あれが普通」というよりむしろ、「超能力者」に近い存在だというのだ。
やっぱり映画は映画、というコトだろうか。

ちなみに「後天的な視覚障害者」はその「目が見えない」という事実を受け入れるまでに、相当の日数「引き篭もる」らしい。
実際ワタシが失明したとしたら…
いくらそれが、私自身の不摂生に起因するものだったとしても、ちょっと折り合いが付きそうにない。

また「徳市」はいわゆる「按摩さん」の設定だ。
こぼれ話だが、一般的に「按摩さん」には「盲人」が多く、目が見えないコトが前提とされる場合が多い。
その「按摩さん」と一対一で、通常「布団の上」が仕事場になる場合が多いワケで、つまりは「もう少しコッチ」、「もう少し…」と微妙なトコロへ誘導されて、その気にさせようとするご婦人が結構多いのだとか。
(この場合、話を聞いたのが男性の按摩さんなので、お相手は「ご婦人」だが、女性の按摩さんにハナシを聞けば、そういった下心を持つ殿方のほうが、それはそれは圧倒的に多いだろう。実際慰安旅行で自室にマッサージを頼む社長さんなんて、ほとんどがそうではないかと思ってしまう。)

なんと羨ましい

なのだが、目が見えないのをいいことに、性欲の処理までしようとする「ご婦人」がどんなものかは想像に難くないし、だいいち些少の「マッサージ料金」で毎回その気にさせられるというのも、「結構大変」なんだという。

そうかそういうコトか、それならワタシのケータイに最近頻繁に届く、

『同意して頂ければ、1回3時間で80万円の報酬をお支払いします。
ありさ(37歳)との肉体関係
これだけが条件です!』

というメールも、あながちワンクリック詐欺だけではないのかな、と勝手な妄想を膨らまして、今度来るメールに釣られてみようかと思う。
(いや、ダメだって。w)

あ、そうそう、某サウナの「韓国式アカスリ」で、何故かチンコのアカまで擦ってくれるオバチャンが居るって後輩言ってたけど、それは試してみたいとは思わないなぁ。
そんな、女性にも性欲はあるという、そういうオハナシでした。(違)

何にしてもこの映画、機会があれば是非とも観てみたい。