ホントにクリーンか

dubrock2008-08-22


ヨーロッパを中心に普及の進んでいる「クリーンディーゼル車」の日本での普及促進の為、来年春から経済産業省補助金を出す方針らしい。

『クリーンディーゼル。』

新型のメルセデスにラインナップされるというコトで、一躍話題になったこの新規格ディーゼルエンジン
ガソリンよりも環境対応型のエンジンだというコトで、その詳細と実際に興味の触手が大いに伸びたのであるが…、

タネを明かしてしまえば、マフラー内に集塵フィルターを設けただけのハナシ。
石原シンタローのDPFフィルターの二番煎じに過ぎないのである。
違うのは、フィルター内にある程度の「スス」が溜まると燃料が過剰噴射され、これがフィルター内で燃焼することにより、溜まったススを自動除去する部分くらいだ。

確かに、8都県市の粒子状物質規則から5年以上が経過し、街を走る車にもホントにフィルターが効いているのか疑わしいものが散見されるようになった。
だから、バシバシとススの溜まるフィルターを自己洗浄する機能というのは、必須と思われる。
だって、基本は黒煙モクモクのディーゼルエンジンなんだから。

更に、過剰噴射された燃料の、更に未燃焼分はエンジンに還流し、クランクケース、つまりエンジンオイルと一緒のトコロに排出される。
それ故、エンジンオイルは燃料希釈に強い専用のものが指定され、更に定期的なオイル交換がされないと、エンジンが掛からなくなる仕組みになっているらしい。
オイル交換を怠ってエンジン始動不能とは穏やかなハナシじゃないが、まあそれくらい、クリーンディーゼルとは未成熟な技術というコトだろう。

これを普及させるという。

お上がそう言うのだから、良い悪いはともかくとしても、ひとまずある程度の台数が出回ることになるのだろうが、問題はこれが「中古車」として二次流通するようになった時ではないだろうか。

機構を理解して、それなりの対価とアフターサービスで買う一次ユーザーに対して、選択の余地が狭く、また特殊な機構への理解も、専門のサポートもないままに購入する二次ユーザーが維持する車というのは、コンディション的にもつらいハンデを背負うコトになる。
加えて経年変化と、走行過多が追い討ちをかける。
街に黒煙を吐きながら走るメルセデスの姿を見るのも、そう遠い未来ではなさそうなのだ。
(いや、20年前にもあった光景なのだが。)

いくらここ最近の「ルマン」で優勝しているからと言われても、臭くて、汚い、そんなディーゼル車には乗りたいと思えない。
そしてセルフでガソリン入れちまうバカが、また増えるに違いない。
そんな「クリーンディーゼル」、「ガソリン車との差額の半分」なんてみみっちい補助金では、売れると思わないのだが、どうだろうか。
軽油がリッター150円のこの時代に。

ところで、産業廃棄物専用車に建築残土を過積載して走る、白ナンバーのダンプカーが最近また増えて来たみたいだが、果たして採算は合っているのだろうか。
リッター70円ですら払えなかったアイツらなのだが。