「おくりびと」試写会

dubrock2008-09-05


久しぶりに招待状が届いたので、試写会に行ってきた。
「久しぶり」というのは、正確には「3ヶ月ぶり」というコトになるのだが、別に映画のコトを忘れていたワケではない。
ただ、ポニョだのクロラだのとアニメ映画ばっかりで、「大の大人が時間を割いてまで観に行くか」と問われると、正直そのようには思えないものだったからだ。

「日本のアニメは完成度も高く、世界でも評価されている」
「ストーリーが大人向けのものなので、充分鑑賞に値する」
反論は様々あるだろうが、やっぱりマンガはマンガであって、「サブカルチャー」はあくまでサブ(補完的なもの)でしかないと思うのはワタシだけだろうか。

ともかく、今秋公開の映画からようやく「これなら行きそう」というものが何本か出てきたので、応募していた次第なのだ。
中でも今回の「おくりびと」は、「モックンが主演の『納棺師』を題材にした映画」というコトで、「観てみたい」と思っていたものであった。
(ま、本音を言えば、ウイル・スミスの「ハンコック」の方が観たかったのだが・・・。)

直前の「モントリオール世界映画祭でグランプリを獲得」というニュースによって、更に期待を高めながらの試写会参加と相成ったワケではあるが、「キタノのベネチア」の例もあるので、このテの「賞を獲った」というハナシを鵜呑みに期待は出来ない。
ただ、「20世紀少年」でテレビ出ずっぱりの唐沢クンに比べれば、あまりにメディア露出の少ない本作であるだけに、「モックンの映画」と言って分かってもらえるくらいの認知度になったというのは、試写会に招かれた側からも喜ばしいコトではある。
(TBSにアサピーまでエンドロールに名を連ねているというのに、宣伝に消極的なのは些か疑問でもある。)

そんなワケで、若干の期待とともに、試写会会場へと赴いた次第なのであるが・・・。
(このテの映画に過度の期待は禁物なのである。)

「冒頭から引き込まれるストーリー展開」がイイ。(・∀・)イイ!
そして何より、「モックンの演技」がイイ。(・∀・)イイ!

脇を固める山崎努の怪演は「期待通り」のものだが、特筆すべきは主演のモックンである。
「ホントにジャニか?」と疑問に思うほどの熱演ぶり。
いや、「ジャニだから大根」と言うつもりもないのだが、「人気に後押しされて演技はソコソコ」というジャニタレが多い中で、「ココまでやるか?」と思えるシーンが多々あったのには驚いた。
(特に「風呂場のシーン」とか圧巻。w)

そんな熱演に水を注すのが・・・、やっぱヒロスエかなぁ。○| ̄|_
結婚して、子供産んで、離婚して、改めて芸能界に復帰して来た根性は認めるけど、それで16の頃と変わらない演技されてもねぇ・・・。
萎えるんですよ。
彼女の登場シーンだけ。
モックンも40過ぎてんだから、相手役はもうちょっと歳行った女優さんでも良かったのではないだろうか。
(例えば「イエモン繋がり」で宮沢りえさんとか、少なくとももう少し演技できるヒト、ね。)

あとは、2時間10分という本編の上映時間。
これも、何故あと20分、せめて10分は縮められなかったのだろうか。
長いのよ。
その時間の感覚。
しかもエンディングにオチが無いし。

でも、そういう部分を差し引いたとしても、カネ払ってでも観る価値はある映画だよね。

面白い

それが証拠に、試写会会場にありながら、エンドロールの最後まで席を立たないヒトが殆どだった。
これはとっても珍しいコトではある。
(つまらない映画の時は、みんな帰るの早いよ〜。w)

それくらい、お葬式のシーンでは泣かせられ、日常のシーンで笑わせられ、忙しいくらい楽しめる映画であった。
(いやホント、山田辰夫さんの出演シーンとか、まぢで泣くよ。)

山田辰夫

劇場では、「笑いすぎのオッサンに注意」の映画である。