どう考えても、

dubrock2008-09-08


落とした財布に、大麻が入っていたことから始まった角界の大騒動。
身の潔白を証明する為に行われた抜き打ち検査で、あろうことか2力士から陽性反応が出ようとは、言い出した張本人すら思いもしなかった結末だろう。

マスコミはこれを前代未聞の不祥事と騒ぎ立て、そして突然のトーンダウン。
「精密検査を行ってみなければ、必ずしも薬物を使用していたとは言い切れない」というのがその理由らしいが、ならその「簡易検査キット」には、どれほどの意味があると言うのだろうか。
だいたい、63人の力士が一斉に検査をして、今回逮捕された力士と最も親しかった2人だけが、何回やっても「陽性」ってのはどうか。
いくら「鎮痛剤でも反応する場合がある」とはいえ、鎮痛薬を使用している力士は他にもいたハズだ。

なのに、だ。

結局、マスコミが相撲協会の意向に従うように報道を自粛した背景には、「記者クラブからの締め出し」というワイルドカードが見え隠れしているからではないだろうか。
確かに、記者クラブから締め出されれば、相撲関係の記事を書くことが難しくなる。
それは記者個人の問題では済まされず、所属するメディア全体の損失ともなり得る。
だからと言って、取材対象に都合の悪い内容を差し控えるというのは、彼らがよく言う「メディア」として、褒められたもんでは到底有り得ないだろう。

相撲の世界のみならず、政治の世界にしたってマスコミとは「共存共栄」のバランスで成立っている。
だから、福田康夫が2回はぐらかした質問は、(本人にとって都合がよくないというコトなので)それ以上しないなんていう、下らない「暗黙の了解」がまかり通ってしまうのだ。
青臭いコトを言うようだが、それってマスコミの「メディアとしての在り方」として、容認されていいものなのだろうか。

そして今回精密検査の結果、晴れて「能動的な吸引による濃度」が検出された。
これにより、一気に理事長下ろしが成功すればいいのだが、もし失敗すれば逆に食い殺される結果が待っている。
それを回避する為に、それでも理事長サイドにも若干配慮した構成なんて「大人の都合」は、見ていて気持ちの良いもんではない。

ただ、本音を言わせてもらうと、ロスケがマリファナ吸うコト自体について、正直それほど興味はない。
明け方の六本木では珍しくない光景だ。
それがたまたま相撲取りだっただけのハナシ。
「相撲」が日本の国技であって、そこに様々なカタチで何らかの税金が使われているからこそのニュースなのかもしれないが、正直毎日聞かされるほどの重大事じゃあないのだ。

「あとは結果だけ」

そうしておけば、済んだだけのコトなのに、これだけ大騒ぎしておいて、墓穴を掘るかのような報道自粛。
そんなに毎日毎日、大ニュースなんてあるワケないだろ、という声が聞こえて来そうだが、みんな同じ切り口の報道って、もう少しなんとかならないもんだろうか。