iPhoneでとんがる
鳴り物入りで日本に上陸したiPhoneであったが、最近では「失速」というハナシしか聞こえて来ない。
ソフトバンクが販売実績を公表しないので憶測が憶測を呼ぶ展開になってはいるが、「目標100万台に対し実数は20万台止まり」というのが堅いトコロではないだろうか。
絵文字が使えない上に、ミュージックプレーヤー機能も日本のケータイでは標準。
さらにバッテリー稼動時間に難があるというのが、不評の専らの解釈であるが、絵文字を使いたくてこんなバカ高い端末を買うヒトなどごく少数派だろう。
ニーズの見誤りは致命傷となる。
その辺、ソフトバンクの禿あたりは分かっているのだろうか。
今回既にiPhoneを買い求めた客層は、世間的にどちらかと言えば「ミーハー」と呼ばれる層であり、元来この層はドコモのユーザーである場合が多い。
新しいものへの興味で手を出した彼らが、ナンバーポータビリティ制度によってキャリアごと変えてしまったというのは、ごく稀なハナシ。
ほとんどが「2台目」としてソフトバンクと新規契約したのではないだろうか。
慣れないケータイキャリアに新しい電話番号。
ウリの高速インターネットは通信料が怖くて必要最小限。
専ら無線LANでネットワークに繋ぎ、肝心の電話は誰からも掛かって来ない。
それでは、「iPhone」である必要なんて無くなってしまうではないか。
iPhoneの特徴と言えば「タッチパネル」と「モーションコントロール」、なんだけど、実際に実機を前にした感想から言えば、何にも無いトコロから、必要な機能を満たすアプリをダウンロードして、自分専用のiPhoneに仕立てる拡張性こそ、iPhoneの特徴であると感じた。
デジカメのアプリが無ければ、搭載されたカメラすら使えないという徹底ぶりなのだ。
だからこの端末は、万人向けでは決して無い。
そもそも、いちおう日本語対応して日本上陸してはいるが、基本「英語」の端末である。
チャラ〜っと日常会話ぐらいはこなしてしまうぐらいの英語力が無ければ、カスタマイズなど到底ムリなのだ。
ちなみに、独特な操作感が話題になったタッチパネルではあるが、操作性というか、感度はあまり宜しく無い。
これは、先行でモニターしたオヅラさんが、発売日の朝からテレビで晒してしまったが、「こーんな風に」と言って操作した時に限って、マトモに反応した試しが無いくらいなのだ。
あとは「モーションコントロール」、なんだけど、端末をヨコにした時、画面も自動的にヨコになる、以外にはこれと言った使い道の無い機能。
無理して使ってもせいぜいゲームくらいでは、「画面回転」のボタンを実装するのと大差なくなってしまうではないか。
しかし、である。
「じゃあ、iPhoneなんかいらねぇ」かと言うと必ずしもそうではなくて、つまり「タッチパネル操作」であって「モーションコントロール機能を具備」した「携帯端末」で、なければならないアプリさえ開発されれば、100万台と言わず1000万台でも販売可能な「バカ売れ機」に豹変する可能性を秘めていると思うのだ。
「それさえあれば」だし、実際そんなアプリを開発して、ワンダウンロード100円でも取っちまえば、まさに「ぼろ儲け」のIT長者となれる。
では、そんな「アプリ」ってどんなアプリだろう。
それさえ分かれば苦労はしないのだが、そんな「ふとした閃き」を夢想する、今日このごろなのである。
ただ、そうなった暁に「一番要らない機能」が「音声通話」となるであろうコトが、ちょっと皮肉だったりする、「iPhoneは発売当日の大行列で売り切れてしまった」と、思っているヒトには無縁のオハナシでした。