今どきの保険契約

知り合いの保険外交員さんがパンクしたんですよ。
表向きは「複数の金融機関に多額の借金」というコトになっていますけど、マジメに外交員やってりゃ、いくらこういうご時世とはいえそうそう借金で火ダルマにはならない。
大方パチンコかなんかに入れ込んでって思われるでしょうが、実はそうでもないんだな。

事の発端は「思わず」結んでしまったオバケ契約。
いわゆる「名義借り」ってヤツですわな。
毎月保険料払うから契約だけしてくれ、って。

それも1件2件なら問題なかった。
次第に立て替える保険料が家計を圧迫して…

ま、最終的には多重債務ですよ。
それは間違いないんだけど、ソコへ行くまでの過程が違うというか。

なんでそうまでして契約を取り続けたかって?
民族系の生保は「一緒に働こう」と誘ったオバチャンを頂点とするグループで管理され、そのグループごとに契約数なんかを競い合うんだな。
それで、「あと、一人2件ずつ取ればトップになれる」なんてな空気に持っていかれて、ソコで自分だけ足を引っ張るワケにいかないじゃないですか。
そんなのとか、「6ヶ月連続でトップ取れば、アナタもリーダーに」なんてモチベーションの上げ方をされたり、ともかく「できませんでした」なんて言えない空気感なんですよ。

で、目出度くパンクしたその外交員さん。
このハナシには続きがあって、金融債務を整理した後も、せっせと保険金は払っていたんだな。
払える分だけでも、ってコトで。
そんな矢先に被保険者が死亡して…

「生命保険はゲームだ」なんてよく言われますけど、これなんか絵に描いたような「最後で大逆転」ってヤツではないでしょうか。

で、最近20歳の若者に宛てた保険設計書(「〇〇様へのご契約プラン」みたいに書かれてるヤツ)に触れる機会があったんだけど、このテのプランって、終身保険がベースになっているじゃないですか。
従来のヤツって。
1000万くらいの終身に9000万の死亡特約付けて「1億の保障ですよ」みたいな。
トコロがそういう「死亡時の支払い」みたいな記載がドコにも無いんですよ。
そんで、オカシイなーと思って何度も見返したら、「最低利率保証型積立保険」なんて書かれてるじゃないですか。
ソイツに医療保障特約ゴッテリ付けて。

あれですね、「死んでからカネ貰うよりは、生きてるうちに」って若いヒトの風潮もさることながら、終身保険では掛け金高くて売れないんでしょうね。
月々のお支払いは「1万円」となっておりました。

ちなみに本体の「積み立て部分」への充当は1800円ほど。
残りの8200円というのはその主契約に附帯する「特約」、つまり「オマケ」みたいなもんですわな。
それも20年更新の。
ちなみに、20年後の更新後の保険料ってのもあくまで「参考」として載ってまして、40歳から2万円、56歳からは4万円が「月々の保険料」と言うコトになってますけど、払えるんでしょうかね。
60近くなって、これから必要になる時の医療保障に介護保障の為の月4万円。w
これで積立金は一生変わらずの1800円ってんだから驚きです。

そして、驚くなかれ保証されたその積立金の利率たるや、なんと驚愕の0.5%!w
40年積んで100万円にしかならないなんて!
欲しいか?
60の大のオトナが、40年積み立てた成果としての100万円。
それまで積み立てた、800万以上もの保険金、その大半が掛け捨てられての、給付金100万円。
怒られますよね、こんなの。

そんなワケで、医療保障を必要としているならば、何故終身型の医療保険を単体で勧めないのか。
そんな疑問を感じた、「今どきの保険契約」だった。

しかもこれじゃ、「最後で大逆転」も見込めないじゃないか・・・。
それでいいのだろうか。