プロローグ(序章)

(フラワーホーン」という魚をご存じだろうか。

フラワーホーン

こんなカンジの、額にコブのある熱帯魚である。
フラミンゴブラックとトリマキュラータム、いわゆる「アフリカン・シクリッド」と総称される種族の交雑種であり、近年人工的に造られた種である。

その特徴は、「とにかく飼いやすいこと」。
水質変化に強く、病気になりにくく、よく食べよく育つ。
それでいて、人間によく慣れるらしい。
(このあたりは、先日たまたま立ち寄った、環八練馬のショップ「VIVID」のページに詳しく書かれているので、そちらを参照して頂きたい。)
実際ショップで見掛けるフラワーホーンたちも、しきりに目の前を通る客に愛想を振り撒いていた。

唯一の欠点は、闘魚であり、「単独飼育」が基本であるというコト。

闘魚

彼らとの付き合いは「ベタ」に遡る。
生花コーナーで花瓶に入れられ、売れ残ってディスカウントされていたベタ。
可哀相で、思わず買ってしまったのだが、まさかメスのベタとも混泳出来ないとは、その時知る由もなかった。
結局、ヒレをピラニアのエサにされ、☆になってしまった。
(ってピラニアも「闘魚」だろっ)

いくら飼育が容易でも、60センチ水槽、90センチ水槽に1匹ではあまりに寂しい。
それはピラニアで充分すぎるくらい分かっているので、「フラワーホーンは無いな」だった。
ただ、飼い始めてもうすぐ1年になるナッテリーさんも最近ではすっかり慣れて、水槽のそばを通ると「遊んでくれ」と猛烈アピールである。
これはとてつもなくカワイイ。

それで、「人によく慣れるフラワーホーン」って、実際どうよ!?

というのはあった。
興味津津だったのである。
ただ唯一の救いが、売買されている大半が成魚であり、それがことごとく高価であるというコト。
ケチには手の出ない代物だったのである。

それが、週末行った熱帯魚屋で、稚魚が1匹380円で売られているのを見て…○| ̄|_

いや、ホント「出来心」なんです。

水槽

軽い気持ちで、ちょうどニッソーの中古「曲げガラス60センチレギュラー」が、480円で売られていたし、「あとはヒーター買えばなんとかなるんじゃね?」なんて。

袋ごと帰宅して、水合わせにテトラ水槽に袋ごと放り込んで、風呂場で中古水槽をゴシゴシやって、ほんの3センチの稚魚だし、「とりあえず」って、あくまで「とりあえず」ってテトラ水槽にリリースしたら…

スゴいですね。
「皆殺し」なんですね。
ラニアのように、満腹になったら追うのを止めて、腹が減ったら再開、なんてのも無く、まあ死ぬまで追いかけ回すワケですよ。
そして、「殺しても全部食べない」というのが厄介。
「殺すのが目的」というか…。
翌日慌てて、「エサ用メダカ」なんて買って来ても「焼け石に水」、だったワケなんですよ。

こうなるとモタモタして居られない。

水槽

早々に「曲げガラス60センチレギュラー」を設置し、立ち上げもソコソコにホーンちゃんを投入、というか「隔離」ですよ。
ついでに、コケ取りのハズが巨大化してしまって、かといってピラニア水槽では生きて行けないセルフィンプレコ(8センチ)×2も投入。
さすがに、いくら「暴れん坊のホーンちゃん」といえどもこの体格差に怯んだのか、はたまたナマズが魚に見えないのか、「お邪魔者3匹」により奇妙な共同生活がスタートしたのである。

フラワーホーン

それにしても、パイロットフィッシュとして入れた、自分より一回り大きい小赤まで追い回すフラワーホーン
コイツの行く末が心配でならないのである。

ほんの、出来心なのである。w