1000円高速

dubrock2009-05-04

連休のド真ん中、今日も関東近郊では高速道路の渋滞が多発している。
人によっては、

ほおれ言わんこっちゃない

と何故か上から目線でしたり顔の御仁も居ようが、ちょっと待って頂きたい。
これまで盆正月にGWだろうが閑散としていた地方の高速道路が、「交通集中」によって速度規制され、時に渋滞する。
これくらい、全国の高速道路網が有効利用されたことが、はたして過去にあっただろうか。
ソコを言いたいのである。

「日本の高速道路は高い!」とは常々言われてきた。
「フリーウエイ」なんだから、料金も「フリー(無料)」で、なんて屁理屈をこねる気はさらさらないが、ただでさえたんまりガソリン税を払っているのに、さらに「100キロ走って3000円」の通行料金は高すぎたのである。

では、これだけ渋滞が多発したというコトは、今回の「1000円」は安すぎたのであろうか。

いやそんなコトはない。
元来「熱しやすく冷めやすい」国民性、それにレジャーが毎週毎週長距離ドライブばかりでもあるまい。
今回は「たまたま」制度創設後の大型連休、今回は「たまたま」一億総ドライブがトレンドだっただけ。
これを「安すぎ」と問題視するのは、この渋滞が9月まで毎週末続いた時で遅くないだろう。

ただ、渋滞の原因となる問題点もいくつか見えてきた。

その第一が「パーキングエリアの不足」。
サンデードライバーはパーキングでよく止まる」のである。
「高速道路」なのに。w
通常目的地までの所要時間短縮を考えれば、元来最高速度は最高でも時速100キロに制限されているし、渋滞により平均時速はさらに低下するので、「休憩は最小限の回数に留め、時間も極力短くする」。
コレが鉄則である。
だから長距離トラックのドライバーなどは、4時間、5時間と走り続けるのが当たり前なのである。

ところがサンデードライバーときたら・・・

パーキングエリアを全制覇しそうな勢い、片っ端から止まって、そしてよく食べている。
まぁ、小さいお子さんなど居れば、またドライバーが中高年であれば、コレは仕方ないコトでもあるのだが、それにしたって高速道路上での滞留時間がやたらと長いというのが目に付く。
もしかしたら、平均時速50キロも出てないんじゃないかと思うくらい「のんびり」なのである。

コレの対策は?
もちろんPAのキャパシティアップ、つまり自走式立体駐車場化などは必要であろう。
でなければ、入口渋滞の末尾で追突事故など起こってしまう。

それにも増して、「地方の景気浮揚策」という面で考えれば、「PA隣接地域の開発と、自由な人の出入り」。
これしかないだろう。
高速道路のPAで売られているものは、「すべて」売り上げの数パーセントが道路公団への施設使用料として徴収されている。
のみならず、彼ら(道路公団)が上納金を徴収しやすくする為、販売する「すべて」の品目が登録制、すなわち「利益率」まで明記した書類を事前に提出しなければならず、これが足かせとなって自由な商品開発が阻害されているのだ。
だからこそ、道路公団の利権の及ばない隣接地の開発
これこそが、「地方の景気浮揚策」に他ならないのだ。
だいたい、あれだけの人数を集められる施設の隣りが「豚小屋」って、誰がどう考えてもオカシイハズなのだ。

次に、「出口ICと一般道との接続の悪さ」。
もう、出口渋滞の原因は料金所のオッサンがトロいとかではなく、明らかにコレ、なのである。
料金所出口と幹線道路との交差点に信号を設けているほとんどのICが、この問題を抱えているのではないだろうか。

解決策は、スマートICなどで出口を増やすコト、それから、幹線道路へは「信号なし」での合流、ぐらいか。

他にも、「トイレが絶対的に足りない」とか、「なんでゴミ箱が無い?」とか、とても快適とは言い難いこの施設を、人々が利用する理由とは何か?
それはズバリ、「信号がない」。
その一言に尽きるだろう。
たとえ最高時速が60キロに制限されていたとしても、何十キロも止まらずに進める道路ぐらい快適なものはない。

そんなワケで、建設以来何十年かで初となる、「道路施設の有効利用」のハナシ。
「道路」はこれくらい使ってナンボ、というのでもあるし、コレで採算が合わないというのであれば、そもそもの計画からして目論み違いであったのではないかとも思う。
そんな、「休日1000円」のおトク感であった。