一億総バーゲンハンター

dubrock2009-05-07

西友の、「290円弁当」なるものを買ってみた。
「従来品(390円)と同等の内容でこの価格」
がウリの、「西友安いでっせ企画」の代表格とも言えるこの弁当だったが、感想は「290円なり」というものだった。

二度と買わねえ!

とまでは言い切れないが、(安いから。w)正直「また食べたい」と思われる部類のものではない。
それだけは言える。
「代表格」がコレなのだから、あとは推して知るべし。
「地域最安値」を掲げても一人勝ちになれないのは、つまりはそういうコトなのだ。

最安値の目玉商品のみを目当てに来店する客を、業界用語で「バーゲンハンター」と呼ぶ。
バーゲンハンター」自体はお店にさほども利益を落とさないから、お店側もこの客層への優遇策はなるべく避ける。
しかしながら「バーゲンハンター」も含めた総来店客数のある一定割合だけ、優良顧客、いわゆる「ロイヤルカスタマー」が来店するというコトになっているので、全く「バーゲンハンター」を寄せ付けない業態というのはなかなか成立しない。
とはいえ、「バーゲンハンター」は世に随分と増殖したようで、「すかいらーく」が店舗を順次「ガスト」に切り替えるのを筆頭に、「低価格化」が最近のトレンドのようだ。

そのことについて、森永卓郎とかいう「オタク評論家」みたいなオッサンが、テレビでうまいコト言っていた。

曰く、『企業が「労働者=消費者」ということを忘れて人件費を削減し、「低所得者」を増やした結果、「買いたくても買えない」層が増えて需給のバランスが大きく崩れてしまったのが、今の日本だ』と。

このことに当てはまるかどうかは微妙だが、このハナシを聞いて思い出したコトがある。
ちょい前にトヨタが業績予想を大幅に下方修正して赤字に転落し、世間から非難が殺到した時に繰り出した「苦肉の策」、「部長職以上は新車を買って会社に貢献しろ」だ。
あの時「管理職」なる人物がテレビの取材に答えてこう言っていた。

「iQでも買おうかな、と…」

アレを見て、「なんでクラウンじゃないんだよ!」と思ったヒトは少なくないハズだ。

だって「トヨタの部長職以上」だろ?
販売不振の会社を助けるんだろ?

って。
結局トヨタからして、テメーんトコの部長職ですらおいそれと手の出ない車を売ろうとしていたんだな。

ついでに「トヨタ」について言えば、「新型ウイッシュ」が受注1万台を達成して「大好評」だという。

アレ!?

ちょっと前は「新型プリウス」の予約がこれまた「大盛況」だったと、大本営発表で無かっただろうか。

その割りには…

「新型インサイト」に沸くホンダを横目に、店頭は閑古鳥ではなかっただろうか。
ホントに売れているんだろうか。
売れているなら、期間工の採用とか再開しても良さそうな頃合なのだが。

トヨタはまだイイ。

カレンダー通りガッチリシャッターを下ろす他社を横目に、GWもバリバリ営業中なのが日産の各店。
エコカー」から「低燃費車」に減税対象を無理矢理広げさせたまではいいが…
いや、この場合セールスマンは悪くないのである。
責められるべきは、エルグランドだフーガだとバカでかい高級車ばっかり作った商品開発、つまりは「社長」の采配ミスだろう。
この時期に「ラインナップにハイブリッドが無い」なんて、そんな不運なコトは無いのだ。
(ま、三菱にスバルの「電気自動車400万円也」ってのもちょっと痛いが。w)

クライスラー」が実質破綻し、これまで散々買収してきたグループ企業の売却や提携先探しに奔走しているが、ネックの1つが「強過ぎる労組」と「高賃金の工員」なんだと言う。
「自社グループとの格差が有り過ぎる」
そういうコトなのだろうが、先の「森永理論」で言えば、(従業員を高給優遇した)「クライスラーが正しい」というコトになる。
でも、年収1000万のライン作業員に「マーチ」とか組み立てさせていては採算が合わないだろうし、だからってバカでかい車ばっかり作っていたら破綻して経営者が袋叩きに遭う。

どうもハナシが「良い方向」に向かないが、資本主義経済というものは、「若干バブル」な好況を演出しつつ、時に破綻でリセットを繰り返し、また「性懲りもなく」次のバブルに沸く。
そんな「ミーハー」で、ある意味「学習しない」、いや「(学習)するべきでない」ものでなくてはダメらしい。

うーん、弾けると分かっていても、次の泡には踊らされてみたいものである。

「次」は何?w