選挙だワッショイ

民主党小沢一郎の代表辞任ではじまった「民主党フィーバー」。
「突然の辞任は何故?」
なんて白々しい報道が目立ったが、その辞任発表当日の読売新聞、朝刊一面の見出しをご存知だろうか。

小沢代表は辞任すべき・70%(本紙調査)

「強面」でも内実「ノミの心臓」と言われる小沢一郎
ネット上に自分のブログの批判記事を見つけても、しばらく次が書けないほどにヘコむこのご時世、こんなもの見せられて「気にしない」で居られるワケがないのである。

これまで多分に民主寄りの報道に終始してきた新聞各社ではあるが、西松問題で秘書が立件されて以降さすがに「それでも民主党政権交代するべき(=総理は小沢)」とは言いにくくなったようで、「麻生政権の支持率回復」なんて苦々しいニュースを、いわば「小沢へのアンチ」として流さざるを得ない状況になっていた。
「小沢さえ辞めれば」という状況の中で、それでも小沢は辞めない。
というか、引責辞任してしまえば、一連の疑惑について認めることとなる。
小沢からしてみれば、それだけは「あってはならない」事態なのである。

ちなみに、民主党はここ最近政策面での脆さが露呈し、「やっぱり民主党に任せちゃダメなんじゃね?」という声も多分に上がっていた。
たとえば高速道路。
自民党は1000円だが、民主党案では無料!」
と声高に唱えては居たが、その「財源」となると誰も答えられない。
王道はやはり「余り気味の道路特定財源から配分」というコトになるのであろうが、自民党内部から「道路特定財源に手を付けるな」の声が上がったように、民主党内部からも「それはできない」の声。
そりゃあ田中角栄の流れを汲む小沢一派が多数在籍するのであるから、「言えるワケがない」のがこの道路特定財源なのである。

特別会計からの繰入」は一過性のものであり、長期的な政策とは言い難いので評価できない手法ではあるが、コレを否定してしまっては代替案も難しい。
もっとも麻生政権は、現在審議中の補正予算内で、またぞろ内部留保を生みそうな政策を盛り込んでいるので、先の「特別会計からの繰入」はコレと引き換えであった可能性が高い。
何かしら自由に使えるカネを欲しがる。
それが、「官僚」という生き物であるのだから。

それでも、小沢が辞めたコトで報道各社は堰を切ったように民主寄りの報道に回帰し、
「次回は民主党に入れる・60%」
「総理大臣にするなら岡田氏・70%」
と連日の援護射撃。
これを「世論煽動」と言わずして、何と言うのだろうか。

そんな偏重報道を見ていたカミさんから、「鳩山由紀夫ではダメなの?」という素朴な質問を受けた。
それは・・・
ホラ、次回「もしかしたら」民主党が政権獲るかもしれないワケで、そん時「党首」はそのまま「総理大臣」になる可能性が高い。
その場合「鳩山(兄)」は・・・
民主党が言い出した「世襲制限」ってのにも思いっきり引っ掛かるし、表明する政策もあんまり良くない。
有り体に言えば「評判、イメージが悪い」というコトになるのだが、分かってもらえるだろうか。

対して「岡田氏」と言えば、党内での力はそんなに無い(←これが一番問題だと思うが)けど、前に党首やってた時は総選挙に負けて、それで責任取らされて無理矢理辞めさせられた感があるし、イメージ的に(あくまで「イメージ」として)「リベラル派として苦労しながらも、真面目に政治やってます」というのがある。
だから、「なんとなーくカネ持ってそうで、それでなんとなーく人が集まったカンジの鳩山さん」よりはイイんじゃないかというコトになるのだが、なんだかココまで、マスコミの引いたレールを上を走らされている感も否めない。

そんな「曖昧なイメージ」で、国の舵取りをさせてしまっていいのか?
なんて疑問が残らなくもないが、やっぱり選挙を経ないで3度も総理大臣をたらい回しにした自民党の功罪は大きいだろう。
安倍など支持していないから福田など尚更。
麻生に至っては言わずもがな、なのである。

そんなワケで4年前、郵政選挙に小泉が大勝した時に、とあるブログに書かれていたコトバを思い出したのでココに書き留めておくことにする。
「弱者って、あなたのことですよ」
思わずドキリとする、フレーズである。

蛇足であるが、「代表辞任」で小沢氏のケジメはついたのであろうか。
別に国会議員を辞めるワケじゃなし。
「西松問題の引責ではなく、民主党に政権を獲らせる為に」辞任したと言っているが、民主党が政権を獲る為に自分が代表を辞任しなければならない理由とは即ち「西松問題」であり、いずれにしても「良い去り際」とは言い難いと思うのだが。