イシバシの娘とかイラネ

dubrock2009-06-12

別に「2世」「3世」が台頭しているのは芸能界に限ったコトではなく、取り立ててどうこう言うもんでもないのだが・・・

最近とんと見掛けない「とんねるず」のおっきいほう、イシバシの、「娘」とかいう存在に、これほどの嫌悪感を覚えるのは何故だろう。

すっかり大御所化して共演する後輩芸人は完全に萎縮。
それでいて肝心のトークが「あんまり面白くない」明石屋さんまが、これまたほとんど父親らしいことをしていたとは思えない「娘」をプッシュするよりも、数段上の嫌悪感。

どれぐらいイヤかというと、運転中に聴き流しているカーラジオに映画の宣伝かなんかで出演した途端に、他局に変えたくなるぐらい、の嫌悪感なのである。

親の七光りで生意気そうに育ったその風貌からだろうか。
表向き「イイ娘」を演じているその「喋り」からだろうか。
何かは分からないが、本人も映画も、プロモーションにミスったコトだけは間違いないようだ。

オヤジのイシバシは、娘の芸能界入りについて反対したと言うが・・・

そりゃそうだ、あれだけ売出し中のタレントにアイドル、それに女優志望を食いまくったオヤジである。
自分の娘が、そんな「ヤリ捨て」の憂き目に遭う選択なんて、賛同できるワケがないのである。
それも、自分の全盛期にADやってたような連中が今や立派なプロデューサーになって、そんなくだらねえヤツらに食われると分かっていれば尚更、である。

そんな、親の力だけでなんとかなろうとしているヤツらと対照的なのが、先日ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールで優勝して一躍「時の人」になった辻井伸行さんだろう。
(つっても「ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクール」とか知らないけど。)
とはいえ、既に幼少期からピアノ奏者として活躍し、レコード(Avexからなのがちょっと↓だが。)まで出しているというのだから、「(彼を)今回知った」というのはいかに一般人がクラシックに関わりが無いか、というコトになるのだが、ともかく今回の優勝で演奏会のチケットは全てソールドアウトというから、優勝賞金の2万ドル(200万足らず)以上のものが齎されたに違いない。
(まさかヤフオクとかに出品されてませんように。)
そして優勝者には、「向こう3年間の世界ツアー」まで約束されているというのだから、「ソイツはスゲエ」というコトになるのだろうが、この「世界ツアー」については「奏者殺し」という反対意見もあるようだ
(たしかに「3年間で300公演」って、シロウト目にも大変だ。)から、辻井さんも健康第一で頑張ってほしい。

ところでこの辻井さん、「盲目」というコトで、帰国後の凱旋会見で記者から投げかけられた「1日だけ目が見えたら、何が見たい?」の質問が物議を醸しているそうだが、コレって受賞後の取材に伸行パパンが言っていたハナシなんでしょ?

むかし、「1日だけ目が見えるようになったら、ママの顔が見たい」って言ってまして・・・

と号泣するパパンの映像が配信されて、ソイツをもう一回聞く為の振りがこの質問なんだと。
つまり集まった取材陣は「ママンの顔が見たい」と記事に書く為だけに、この質問を繰り返していたというワケで、おおよそ下衆のやりそうなコトですわ。

それよりもね、この辻井さんを見ていると、「あなたに、褒められたくて」という高倉健の自伝本のタイトルが思い出されてならないのですわ。
先天的に、「全盲」という障害を持って生まれてきた我が子を前に、自責の念から精神的に破綻寸前の、伸行ママン。
そんな伸行ママンの希望の光となったのが、遊びで弾いた「おもちゃのピアノ」。

「ああ、この子は、(目が見えないけれど)音楽の才能がありそうだわ。」

なんて親の期待は、子供なら一番敏感に感じ取るトコロでしょうねぇ。
以来ずうっと、ピアノ漬け。

「(苦しいコトなんて無かった。)楽しかった。」

と彼は語るが、楽しさが分かって来たのなんか、ほんのつい最近であるに違いない。
ただ、

「上手にピアノを弾くと、ママが喜ぶ。」

その一心だけでピアノを続けてきたように思えてならないのですよ。
そんなワケで、今回、日本のクラシックファンのみならず、普段クラシックに関わりのない日本人、それに、世界のクラシックファンにも有名になった辻井伸行さんなのだが、ママンはまだ満足してはくれないだろう。

いったいいつまで・・・

と彼の背負った十字架の重さを思うのだが、本人の口から「早く結婚して(両親を安心させたい)」という意外なコトバも飛び出していたので、それもそう遠いコトではなさそうだ。
(大丈夫。「五体不満足」だって印税ガッポリで早々に結婚した。)

あとね、クラシックが一部のクラシックファンの間でしか盛り上がらないのは、あの、「小屋(ホール)でバカ高いカネ取って『静かに』聴かせるスタイル」に問題があると思う。
もっと商業ビルの多目的スペースとかで、無料演奏会から始める敷居の低さが、必要なんじゃないだろうか。

辻井さんが世界的に有名になった暁には、そういった辺りもお願いしたい、今日この頃なのである。