帝国の逆襲

dubrock2009-07-11

米グーグルが、パソコン用OS、それも「無償」のOS開発を表明した。
最近流行りの、「ネットブック」と呼ばれる小型ノートタイプをターゲットにして、2010年後半にリリース予定というから、あと2年後、2011年にはお目にかかれるというコトだろうか。

数年前、当時付き合いのあった野村総研の担当者が、週末に趣味で利用したJRAのサイトに感銘し、嬉々としてこう言っていたのを思い出す。

各端末にデータベースアクセス専用アプリをインストールして、ユーザーと利用権限を端末で認証するなんてもう古い。
これからは「web認証」。
「ユーザーID」に「パスワード」。
「パスワード」で認証して、システム側のアップデートもweb上で完了する時代が来ますよ!

(当時彼は、膨大な数の端末にインストールした「専用アプリ」のシステムフォローに四苦八苦していた。)

あれから数年。
ほとんどのデータ管理システムがwebに移行して、「インターネットに接続出来る環境」さえあれば、会社に居なくても稟議書決裁から旅費精算まで出来る。
それが「当たり前」になった。

そういう時代だから、ホームユースでは尚更のこと、「ネット閲覧とメールさえ出来ればイイ」
という声を多く耳にする。
(ってか、「それしかしない」と。)

鳴り物入りで投入されたWindowsVISTAが、ハードに過度の要求をする割りには「たいしたコトない」と不評でブタコケし、iPodインテルプロセッサ搭載で
「Macの復権なるか!?」
なーんて期待した時期もあったが、OSの巨人・マイクロソフトに対抗するのは、どうやら「検索のガリバー・グーグル」になるらしい。
(Macブックとかバカみたいに高いしねぇ。ヒンジとか「華奢」なのに。w)

グーグルは、パソコンが売れれば黙ってライセンス料の入るマイクロソフトのポジションを、虎視眈々と狙っていたんだな。
それで、新しいOS市場を携帯電話用OSに見出したんだろうけど、「アンドロイド」って正直ピンと来なかった。
(いや、「オフィス」が使える「ウインドウズ・モバイル」ってのも、打ち出しのインパクトの割には「で、??」ってカンジだったけどさ。)
携帯端末のOSを共通のものにする(それも「他社のOS」に)ってコトに、現段階ではメーカーがメリットを見出せなかったんじゃないのかな。
まだまだ「ウチのが主流」って鎬を削ってる最中だし。

で、改めて「パソコン用OS市場」に参入することになった。
折しも業界が、
「OS(=「ウインドウズ」)が高くて、パソコンが安くならねぇ!」
って騒いでいる最中に、だ。

「廉価機には特別に、前のXPのライセンスをダンピング販売して、・・・」

なんて言っていたマイクロソフトは、さぞかし涙目なコトだろう。

あとは「シェア」がドコまで伸びるか。

多数派になればコッチのものだが、
「今使っている5年落ちのノートパソコンに入れて、サクサク動く」
ならパソヲタが真っ先に飛び付くだろう。

「インターネット検索」に続く、「無償提供から始まるビジネスモデル」を模索中のグーグル。
「居ながらに世界旅行が出来る」と自画自賛だった「ストリートビュー」は今のトコロ「総すかん」を食らっているが、「無償OS」の下には果たして、「2匹目の泥鰌」が居るのだろうか。
リリースが待ち遠しい限りである。