「順当」であることのほうが、むしろ不自然

dubrock2009-07-30

夏の高校野球、甲子園への各県代表が、続々と決まってきた。
聞いたコトもない学校名と、「初出場」の文字が目立つ。
「順当」と言えるのは、6年連続10度目の、青森代表・青森山田ぐらいではないだろうか。

出場が決まった優勝校ですらそうなのだから、地方大会は言うまでもない。
準決勝あたりの試合ですら、

「コレ、地元の人しか知らねぇんじゃね?」

っていうマイナー校が、むかし甲子園でよく見た名門校に、「サヨナラ」とかで勝っちゃったりしているのである。
今回神奈川から出場を決めた横浜隼斗など、横浜高校と当たったトコロで

「ここまで」

と、当の関係者ですら思っていたと思うのである。

専用のグラウンドが無かったり、部員数が少なかったり。
確かに「下馬評」には一理ある場合もある。
しかし出場校からその勝ち上がり方まで「予想通り」というのは、どういうコトだろうか。

全て「順当」という大会運営こそ、異常だと思うのだ。

ココまで波乱含みな展開になった要因というのは、取りも直さず「野球特待の禁止」にあるだろう。
いやボクらが高校生だったはるか昔から、「野球特待」は禁止だった。

禁止だったが、・・・

「オレ〇〇高校(野球名門校)の野球特待生だったから」は、飲み屋のサラリーマンの自慢話の常套句だったし、
「オレ、野球特待貰えなかったからさぁ」
は、ダメサラリーマンが不運な人生の「始まり」を語り出すのによく聞かされたフレーズだ。

つまり「公然の秘密」というか、「有名無実」というか、高野連の言う「野球特待禁止」とは、そういうものの代名詞だったのである。

じゃなきゃ、スカウトマンが大変だろ?

確かにその通り。
昔は「名門校」に黙って選手が集まった。
というか、「名門校」が学費免除に寮無料、好条件を出し合って有力選手を掻き集めた。
桑田・清原の「KKコンビ」は偶然ではないのである。

それが今では、・・・

「乱戦」である。

どんなに将来有望な選手であっても、
「地方大会4回戦で満塁打、5回戦敗退」
ではスカウトマンの目に止まるかどうか。

ハンカチ王子」が毎年生まれるハズが無いのである。

そんなワケで、
プロ野球への登竜門」
として、高野連の暗黙の了解の下、戦後何十年と行われてきた「夏の甲子園」。
ハンカチ王子」がすんなりプロ入りしなかったのは、そういう時代の終焉を物語っているのであり、そういうレールに乗っていなかったからこそ、「王子」は大学に行った。
そんなコトが今さら分かった、今年の「夏」だった。

高校野球は地方大会が面白いという、そういうハナシである。