こころのきれいなひとにしか、見えないんだよ
建設中の、東京スカイツリーにやってきた。
てっぺんが100mを超えたというコトで、首都高速6号線からも見えるようになってきたので、そろそろ一度見に行ってやろうと思っていたのだ。
完成すれば、いつでも見られるが、
建設中は、「今」しか見ることができない。
そういうコトである。
蔵前橋通りを、千葉方面へ。
三つ目通りを越えて、右手にJR錦糸町駅が見えてきたら、その左手にある。
その少し前あたりから左手に見えているのだが、「あわてて曲がらない」のが根っこにたどり着くコツである。
建設予定地は、もともと東武鉄道の車両基地であった。
「であった」という通り、わざわざ車両基地を建設予定地に空けたワケではない。
もうとっくに使わなくなった、使い出のなくなった車両基地がソコにあり、無理矢理タワーの建設を誘致してきた、というのがホンネではないだろうか。
「なんにもない」(付近住民談)このあたりの観光再開発として、墨田区が「かなり頑張った」結果でもある。
だから、建設中の今の時期に訪れて、
「なんにもないねー」
というのは、「当たり」でもあるし、「当たり前」でもある感想だ。
ゆくゆくは商業施設も併設されるらしい。
でも、各地にショッピングセンターやアウトレットモールが乱立されている昨今、
「ただ高いタワーがあるだけ」
でどれほどの集客効果が得られるかは疑問が残る。
「バカほど高いところに・・・」
とは言ったって限界があると思うのだが。
建設は東武鉄道が母体になり、完成後にココから電波を飛ばす放送局が、その費用を負担することになるらしい。
とは言ったって、最終的には国からの補助金で賄われるのだろう。
いわゆる「自民党式」の、地域再開発手法だ。
鉄塔から電波を飛ばすより、有線ケーブルを利用した方が効率的で経済的。
なんて意見は、聞こえる由もないのである。
そんな、墨田区民の期待を背負った「新タワー」なのであるが、この建設現場に立って尚、
「新しい東京タワーって、何て言う名前なの?」
「これ、何メートルまで造るの?」
なんて能天気な質問を矢継ぎ早に繰り出すマド(36歳男性・仮名)に、新タワーの将来を案じ得ない今日この頃なのである。
広告宣伝は1日にしてならず、である。