YS-11
柏市上空を1機の飛行機が飛ぶ。
海上自衛隊機。
おそらく下総基地を目指しているのだろう。
「カッコいいー!」
「なんて言うヒコーキなの?」
そう聞かれて、改めて空を見上げる。
ずんぐりむっくりな機体。
双発プロペラ。
翼端にオレンジの塗色。
機体後部にソナーなし。
の、「海上自衛隊機」。
とくればあれは、・・・
「YS-11」?
でも、「YS」って少し前にラストフライトで話題になってなかったっけか。
そんなコトが頭をよぎり、「YS」と発することが出来なかった。
あの飛行機は、何だったのだろう。
もし「YS」なら、何で飛んでいたのだろう。
そんなコトを思っていた矢先、「海自のYS-11が山口県下関市でオーバーラン」のニュースが。
あれはやっぱり、「YS」だったんだ。
と、皆とは別の視点で納得した次第だったのである。
調べれば、航空法の改正により衝突回避装置の装備が義務付けられ、旅客輸送が出来なくなったのが2006年9月のこと。
でも、自衛隊に海上保安庁では「未だに使っている」ってんたなー。
「YS-11」。
戦後「初」の、国産旅客機。
先日までやってたドラマ「官僚たちの夏」でも、そのハナシがチョコっと出て来てた。
エンジニアが軍用機の設計経験しかなくて、「オーバーシャシー・アンダーパワーだった」とか、あの図体に油圧を使わない「ワイヤーリンク」だったので、舵取りに「力」が必要だったとか、あまりパイロットには評判の良くない機体なんだけど、人気なんだな、「マニア」には。
そんなワケで、「かなりご高齢」の「海自YS-11」。
1200メートルの滑走路ぐらい、そりゃオーバーランするよ、な今日この頃、事故に怪我人が出なかったのが、せめてもの幸いである。
もちろん「まだまだ」、飛ばすんですよね、「YS」。
戦後ニッポン復興の旗印「YS」。
がんばれ、「YS」。