バブルの塔

 
中東のドバイに、「世界一高いビル」が完成だそうである。
正式には非公表(公表して抜かれるのが嫌か?w)らしいが、高さは820m「ぐらい」なんだとか。
 
「ドバイ」と言えば、ついこの間の破綻騒ぎが記憶に新しい。
2004年からの建築というから、5年もの歳月をかけて「ようやく」の完成というコトになるが、「今更」の感が否定出来ない。
 
<b>つか、カネが無くなって、慌てて工事終わりにしたんだろ?w</b>
 
なのだが、今まさに建設中の「第二新東京タワー」からすれば涙目の出来事に違いない。
んな、「610m」だ「634m」だ言ってる場合じゃ無くなってしまったのである。
 
<b>「自立式鉄塔としては、」</b>
 
なんて注釈もバカらしくなっちゃうぐらいの、大幅な記録更新である。
(つか、今更電波塔というものどうかと思うが。)
 
でも心配は無用である。
 
<b>総工費1兆8000億円のビルの、「低層階はテナント、中層階以上はマンション」</b>
 
というビジネスモデル自体が既に終わっている。
表参道ヒルズすらマトモに回っていないのに、あんなだだっ広い砂漠のド真ん中で、誰が好き好んで兎小屋みたいなのにわざわざ住み、バカ高い商品を買うと言うのだろうか。
まだバカ高い「人工島リゾート」のほうが現実的である。
 
バベルの塔ならぬ「バブルの塔」は、いずれ砂漠の砂に還る日も近いに違いないのである。
(ちなみにマスコミに頻出の「バブルの塔」は、旧約聖書に出てくる「バベルの塔」を捩ったものらしいが、意味合いとしての暗喩はないらしい。「ただの駄洒落」というコトだろうか。)
 
「破綻したビジネスモデル」と言えば日本にはもう一つ大きいのがあった。
 
そう、「JAL」である。
「島国ニッポン」をつなぐ交通インフラとして、「空路」は最も理想的な選択肢なんだろうけれども、・・・
 
何十、何百億円という機体を仕入れて、何十、何百人という客をチマチマ運ぶその非効率さ。
<b>成り立つワケが無いのである。</b>
 
しかもソイツのパイロットはじめ関係者一同が皆「高給取り」だってぇ!?
 
<b>んなワケねぇだろ!</b>
 
なのである。
 
法外な離着陸使用料を徴収され、そのカネでボコボコ作られた地方空港に定期便を就航させられ、いわば「国策」で赤字体質になった?
そうだろう、そうだろう。
でもその赤字体質を隠れ蓑にして、手広くホテル経営まで好き勝手やってはいなかったかい?
 
いや待てよ、ハナから破綻したモデルなんだから、定期的にこういった借金棒引話が出てくるというのも、既定路線なワケだ。
新興の航空会社だって安穏としては居られない。
 
今は「たまたま」所有の機体が新しいだけのハナシ。
じき機体が老朽化して、「新しい飛行機が買えねぇー」なんてなった暁には、「あんなポンコツ乗ってられるか!」という銚子電鉄ばりの扱いが待っているのである。
(それだけで済めばいいけど、電車と違って飛行機は、エンジン止まったら墜ちるからねぇ・・・。)
 
そんなワケで、「潰れるべくして潰れるJAL」を、救済しようと奔走する鉄ヲタのハナシ。
そりゃ銀行が、私的整理をイヤがるワケなのである。
(そんな企業に融資した方が悪い、とも言えるが。)
 
ブルジュ・ドバイ完成で意気消沈のスカイツリー関係者には、かのレンホー氏の名言を贈ることにしよう。
 
 
<b>「世界一を目指す必要性は、何なんですか?」
「2位じゃ、ダメなんですか?」</b>
 
前原大臣の「羽田に新幹線乗り入れ」は実に画期的なハナシだと思う、今日この頃なのである。