そんなことしても牛肉は買わないニョロよ

dubrock2010-03-19

「固唾を飲む」ほどではなかったが、その動静を注目していたワシントン条約の締約国会議。

もしかしたら、マグロが食えなくなる(買えなくなる)かも!

という最悪の事態は免れたようだが、これで問題が解決したとは到底思えない。

そもそも日本には「捕鯨反対」という国際世論の圧力があって、「シーシェパード」なんていう目立ちたがりの基地外がソレに乗じて好き勝手やっていて、

それでも頑なに「調査捕鯨」を続ける意味合いってどんなのよ?

なんてなコトが、日本人、それも一般庶民の間でも議論されつつあった時期。

そんな状況での「クロマグロ国際取引禁止」は、「危機」というよりは、「またか」というか、「やっぱりな」というか、そんな、ある種の「あきらめ」感漂う世の中の流れ。

そもそもクジラにしたってマグロにしたって、「公海上」とはいえ、どちらかといえば「他国の海」である「南氷洋」とか「大西洋」とか、そんなトコロにまで出掛けていって「根こそぎブン獲る」という手法をもう何十年と繰り返してきたわけだから、その行為が国際的な批判を受けるというのも、至極自然な流れと言えよう。

こと「マグロ」に関して言えば、

「(市場価格維持のため)向こう半年分ほどは冷凍保存されているので、「今」国際的に禁輸になったとしても、食卓からマグロが消える、また価格が高騰するのはさらに数ヶ月先。」
という関係者の話を聞けば、その考えは尚更深まるのである。

今回「ワシントン条約による国際取引禁止」が否決になった背景には、

「EU圏内での取引は国際取引に当たらないので規制されない」
という「ジャイアン」にも似た論理があって、これに養殖マグロを輸出している「非EU圏」諸国が反発したこと、また、最終的には日本に輸出するべくマグロを買い漁っているアジア諸国も反対に回ったことが、影響したとされている。

しかしながら今回は「たまたま」であって、

「マグロはいずれ規制されるもの」

そういう認識でもって問題に当たる姿勢が、求められているのだと思う。
(世の中ってな面白いもので、「それ」に従事している人間のことも考えて、「変化」はゆっくり進むように出来ているのである。)

同じクジラネタで言えば、「ザ・コーブ」という、和歌山県太地町で隠し撮りされたイルカ漁についてのドキュメント映画が注目されているらしいが、これを観たフジテレビアナウンサー某のコメントが印象的であった。
曰く、「『反捕鯨』というよりは、『湾内で秘密裏に行なわれているイルカ漁を隠し撮りする』という目的に沿って構成された編集が秀逸で、あたかも自分がスパイにでもなったかのような錯覚で、『隠し撮り』という行為の成功へのプロセスに吸い込まれていく面白い映画」というもの。

じゃあさ、じゃあさ、「国畜産と屠殺の実態」みたいなドキュメント風映画を企画してさ、マイケル・ムーアあたりに(名前だけでも)監督やらせればさ、同じことになるんじゃねぇの!?

なんてなコトを思う、今日この頃なのである。

いくら「肉の旨みは『赤身』にある!」とか言われても、お口に合わないのが日本人、なのである。