ネット航空券販売「業界の裏側」ブロガーミーティングに潜入(前編)

今回はディープな企画である。

『i.JTB ネット航空券販売「業界の裏側」ブロガーミーティング』を開催いたします。

ますます多様化する海外自由旅行市場をターゲットに、「トルノス」で本格的にネット販売を開始した、i.JTBさんのイベントです。

【トルノス】http://www.tornos.jp/

今回は、海外旅行には必要不可欠な「海外航空券」にテーマを絞り、

■一般的に最安値だと思われがちな「格安航空券」は実は安くない!?

■ネットでの空席照会のシステムに隠された旅行業界のカラク

など、一般的に常識だと思われているオンライン海外航空券業界の裏側にある真実をトルノス担当者の方から伝えていただきます。

今まで知ることのできなかった知識を身につけ、今後の海外旅行に是非活かしていたければと思います。

という触れ込みに、ホイホイ付いて行った次第なのであるが、・・・

ネット航空券販売「業界の裏側」ブロガーミーティング

そもそもこのイベント、「JTB」さん主催のものだと思っていた。(場所もJTB本社ビルだっやしねぇ。w)
今回主催の「鄯.JTB(あいどっとじぇーてぃーびー)」は、ソコの常務さんに言わせれば「本家JTBから分割された別会社」。
「JTBグループ」ではあっても「JTB」ではないというコトなのだが、・・・

「どうでもいい」?

とか言わないのっ。

インターネット上でのチケット、特に「航空券販売」を目指す「鄯.JTB」さんは、「JTB」さんの実店舗の真ん前でティッシュを配り、ソコの担当者から威嚇されたコトもあるんだとか。

そんな「鄯.JTB」さんが展開する
オンライン海外旅行予約サイト「トルノス」
http://www.tornos.jp/(検索で1位に表示されない。w)
の目指すトコロとは、

「顧客と接点を持たずにネット上だけで完結する海外旅行」

なんだとか。

それというのも、旅行会社のWebサイトというのが、ことごとく「実店舗ありき」な構成になっていて、どんなに「オンライン予約」とか謳っていても、結局は電話で確認しなければならない状況になり、電話をしたらしたで、「店舗に来い」と言われる「店舗誘導型」のサイトの典型なんだとか。
そしてその為には、実際には存在しない商品を掲載することも

皆さんも「お得な旅行プラン」につられて旅行会社のサイトを訪れ、最後の最後で「満席」とか「お問い合わせください」とか言われた経験はないだろうか。

【トルノス】http://www.tornos.jp/は、そういった業界へのアンチテーゼとして、「あくまでネット上で完結したサービスの提供」を目指しているのだとか。

この為に、【トルノス】では、仮に変更可能な航空券であっても、購入した航空券の変更には応じてくれない。
電話対応のオネエサンは非常に丁寧、であっても、「できないものはできない」と断られるのである。

これには、航空券販売にまつわる業界の慣習があるという。

と、いうのも、もともと旅行会社は、航空会社からの航空券販売手数料で食っていた
有り体に言えば、それだけで「儲かっていた」のである。

この時代の商慣行として、「旅行会社で売った航空券は、全部旅行会社で面倒を見ろ」というのがあって、搭乗便変更やキャンセル、果ては航空券に記載された氏名の誤字訂正まで、その一切を旅行会社に丸投げしていたのである。

しかし時代の流れとともに航空会社も苦しくなり、今では航空券を売っても「手数料」はほとんど望めないという。

カネは寄越さなくなったのに、業務についてはそのまんま

それでも、顧客対応を押し付けようとする航空会社があって、電話による煩雑な手続きを必要とする航空会社の航空券発券システムが追い討ちをかけ、結局、電話による搭乗便変更を受け付けることが、旅行会社のコストを大きく押し上げてしまうんだそうな。

そういう部分へのアンチテーゼとして、「航空券のフォローは、航空会社で」を訴えていきたいのが、【トルノス】の基本的考えで、・・・

この、「航空券を売っても手数料が貰えない件」については旅行会社各社がアタマを悩ませていて、「手数料無料」などと謳っていても、決済の段階でなんやかんやと値段が上がるのは当たり前。
燃油サーチャージになんたら手数料と、もうある程度「買う側」が「そういうもんだ」と思ってしまっているものについても、根拠のないものが結構あるのだとか。

複雑怪奇な航空運賃体系

というのが問題を複雑化させる。

最近では、「PEX運賃(ペックス・正規割引航空券)」というのが広く浸透しており、「普通運賃(ノーマル運賃)」で買わないというのが、「通」というか、旅慣れた感じで「カッコイイ」とされている。

これに対し、旅行会社のみが販売できる「IT運賃(InclusiveTourFare・格安航空券)」というのが更にあって、「変更・取消不可、マイレージなし」など「ペックス」よりも更に厳しい条件を課しているのが実情である。

俗に、「格安航空券はパックツアーチケットのバラ売り」などと言われているが、あれは90年代までのオハナシ。
今では「ツアーチケットのバラ売り」はご法度になっていて、「IT運賃」がそれに変わる位置付けとされているのである。

いるのであるが、・・・

「航空会社未定の航空券」というのも世に出回っている。
出発日だけ指定。
時間も、航空会社も未定の航空券。

そんなの乗れるかよ!?

なのだが、「それでもいいから安いのくれ」というニーズがあるのも確か。
つか、結構多いらしいのである。

窓口に問い合わせて、「ドコの航空会社ですか?」と聞いても無駄。
「決済を済ませれば、スグ搭乗便は確定しますよ。」
なんて言われて、教えてくれないのである。

アレは、「航空会社が未定」なのではなくて、「航空会社が言えない」チケットのこと。

つまり旅行会社はこういう手段でもって、「ご法度」となった「パックツアーチケットのバラ売り」を行っていたのであった。

じゃあ、「航空会社未定」でも安全なのか?

というと、それが一概にそうでもないらしく、もともと「パッケージツアー用の航空券」というのは、「現地でのホテル宿泊とセットで売る」というレギュレーションで提供されているのがほとんど。(それで、航空券単体の価格が出なくなるんだな。w)
厳しい航空会社ではソコを付いて、怪しいパッケージ用航空券の顧客に対して「宿泊先の予約番号を言え」とか要求してくるらしい。
ソコから、「不正な手段で入手した航空券だ」と言われ、とはいえ「変更、取消不可」で、「結局その場で正規の航空券を買わされた」なんてなハナシもあるのだという。

それから、前述のように航空会社の「航空券発券システム」は古いんだがセキュリティなんだか、ともかくオープンなものではないらしく、旅行会社の空席状況というのも、日に1度更新されるレベルのものだそうな。

そんなワケで、「格安」と思ったら満席。

と、見せかけて、別の旅行会社では予約可能。

つか、もっと安い航空券を後から見つけた!

てなカンジで、果たして自分が取得した航空券が「正解」なのかどうか、最後まで分からない航空券業界。

そんな業界を是正したい!

と意気込む「鄯.JTB(あいどっとじぇーてぃーびー)」の【トルノス】に未来はあるのか。

次回はその今後について、ディスカッションである。