世界初!バッテリー交換式電気自動車を用いた EVタクシーに試乗してきた。(前編)


ベタープレイス・ジャパン Better Place Japan

東京は虎ノ門にある、ベタープレイス・ジャパン「バッテリー交換ステーション」にやってきた。
今日はコチラで、「バッテリー交換式電気自動車を用いた EVタクシー」に試乗である。

六本木ヒルズ、「ロクヒル」のタクシー乗り場を拠点に運行しているというが、・・・

その姿を見掛けたコトはないし、ロクヒルからタクシーに乗る機会もない。
そんなワケで、コチラから出向いての体験試乗である。(タダで乗せてくれると言うしね。w)

「白」を基調とし、「青」を配色した、ハイセンスな「バッテリー交換ステーション」。

こんな地価の高いトコロに、こんな設備作って、ベタープレイス・ジャパンというベンチャー、資金の出所はドコなんだろう。

それが、一番最初に感じたコトである。

六本木ヒルズ、「森ビル」がからんでいるから、大方政府関係の力が働いているんだろうな、と思っていたら、なんのことはない「経済産業省資源エネルギー庁の委託による実証事業」だった。
そうか、それなら納得、である。

最初に、「ベタープレイス・ジャパン」について説明しておこう。
今回の事業を統括する「ベタープレイス・ジャパン」。
もともと「ベタープレイス」は、「電池交換式電気自動車」を提唱しているベンチャーであって、「電気自動車におけるグローバル・スタンダード(国際標準規格)を策定」することによって、「電気自動車の速やかな普及」を目指している企業である。

つまりですねぇ、バッテリーを本体ごと交換可能な統一規格にすることによって、課題とされている充電設備インフラコストを最小限に抑えてしまおう(ついでに「インバーター」や「モーター」なども共通化できるかな。)というコトなんですよ。
これにより、アイドルタイムに充電する通常の使用法と、充電済みのバッテリーに交換する使用法を組み合わせることによって、電気自動車の最大のデメリットとされている「都市間の長距離移動」も可能にしてしまおうという狙いがあるんだそうで。

ま、そんなコト言ったって、いきなり普及するワケがない。

ソコで、「一番メリットの出るロケーションから、展開していこう」と考え出されたのが、今回の「ロクヒル拠点のEVタクシー運行」というコトになるんだそうでごいざいます。

まず、なぜ「タクシー」なのか。

東京を走る車両の、2%が「タクシー」。
しかしながら2%の「タクシー」が、走行距離では全体の20%を占める。

つまりですねぇ、「たった2%のタクシーをEV化することによって、CO2排出削減の効果が大」というのが表向きの理由で、裏を返せば「1日300キロ走るタクシーで試験すれば、データの収集も早くて容易」というコトになるワケなのですよ。

では、なぜ「ロクヒル」なのか。

「なんかITバブルっぽくて、EVが似合う」。
そう感じる人が多いかもしれないが、ここはタクシードライバーの立場で言ってみよう。

「赤坂・六本木・渋谷あたりで乗せた、特に外人、女性は長距離乗らない」

つまり効率を考えれば、上野あたりでTXの最終に乗り遅れたサラリーマンを拾った方がマシ(「つくば」まで乗りますからねぇ。)なワケで、その真逆であるロクヒルを拠点に、真昼間っから営業するという事は、つまりは短距離客狙いであって、それは「フル充電でも最大160キロしか走れない」という今回のEV車の特性に合わせたものだと感じた次第なのでありました。
(「バッテリーが足りないので、後ろの車に乗ってください」とか言われたら、誰だってちょっとカチンと来るだろう?)

で、まあ、そうは言っても、「電池切れれば、タダの箱」。

「バッテリーの残量管理は、ドライバーの責任で」

なんつって、「横浜で止まっちゃったんでレスキュー」とか言われたらたまらない。
そんなワケで、「ベタープレイス・ジャパン」が開発したのが、「リアルタイム車両管理システム」なのであります。

ま、GPSで車両の位置情報をリアルタイムに地図表示するのは、ちょっとした運送会社ならとっくに導入されているもの。
これと、現在の走行状況、電池の状態などを車両から取得して組み合わせることによって、「虎ノ門」まで帰れるかどうかを常時チェックしているだけでなく、iPhoneを介してドライバーにもその情報をフィードバックしているというのが「新しい」のでありました。

あいぽん

(運転席、ナビの横にあるのがそれ。車両から常時電源供給されているのが笑える。)

で、「その情報」については、個人情報の保護(ドライバー名とか出ちゃうからねぇ。)など対応して、近日中のWeb上でも一般公開の予定なんだとか。
その前段として公開されたTwitter上のbotがコチラ。
EVタクシーロボ@ベタープレイス (tokyo_evtaxi) on Twitter
http://twitter.com/tokyo_evtaxi
これは

2号車のつぶやき:六本木ヒルズタクシーのりばに帰るなう。あと 6 分くらいで着きます。待っててくださいね!
とか
3号車のつぶやき:お腹すいた。。。バッテリー交換しに帰るなう。
なんてな「つぶやき」が自動生成されるものなんだけど、これだけでも驚かれた人も多いんじゃないだろうか。
(車両の走行状況とタクシーメーター(「空車」とか「回送」とか)情報を統合すれば、行けそうな気がする〜。)

そんなワケで、鳩山も辞任したトコロで、ガチガチに管理されて乗務しにくそうなEVタクシー、試乗についてはまたあしたの記事で。