世界初!バッテリー交換式電気自動車を用いた EVタクシーに試乗してきた。(番外編)

dubrock2010-06-04


電気自動車を個人で製作するとなると、最大のネックになるのが「バッテリーの調達」である。

「電気自動車を個人で製作」というと、「鉄腕ダッシュ」というテレビ番組に出てきた「ソーラーカーのだん吉」を思い浮かべる人も、多いんじゃないだろうか。

アレって夜に、コンセントで充電してね?

とかそういうのはどうでもよくて、話題にしたいのはその「バッテリー」である。

その後どうしかたかは知らないが、初期の「バッテリー」は一般的な硫酸鉛バッテリー。
いわゆる「自動車用バッテリー」というヤツを使っていた。
だから、あんな軽四輪をトロトロ転がしても、1日に進む距離は100キロソコソコ。
充電に時間がかかるは、有害なガスが出るは、熱まで持つはで、とても実用レベルで使える代物ではなかったのである。

しかも、「だん吉」ではたしか採用されていなかったが、電気自動車の「カナメ」となるのが「回生ブレーキ
自動車が走るエネルギーを止まる時には「電気」として回収して、次の走行にまた使おうというものである。

これにより電気自動車の走行可能距離は伸びるが、逆に電池にとってはシビアな要求である、「急激な放電と充電の繰り返し」が起こることとなる。(EVタクシーがバッテリーの温度をモニターしていたのはこの為。)
つまり「自動車」には、「バッテリー」というよりはむしろ「コンデンサ」のような機能が求められているワケで、「今」の現状では硫酸鉛よりもリチウムイオンの方が、電気自動車には向いている、と言われている。

とは言っても「リチウムイオンバッテリー」は簡単には作れないし、高いし、で、個人の電気自動車製作も頓挫、といった場合が多いんじゃないだろうか。
(それがメーカー製電気自動車の価格を押し上げている、とも言われている。)

で、今回の「ベタープレイス」である。

そのビジネスモデルは、利用者が「電池抜き」の電気自動車を用意して、走行距離に応じた電気代と、電池の消耗費、設備の消耗費をご負担頂くというトコロにあるのだという。(ガソリン感覚だよね。)

「バッテリーは、ベタープレイス持ち」なのである。

もちろん運用初期段階では「まっかっかーのか」であろうこの「バッテリー交換ステーション事業」(先日は「出光」が、「約5か月間おこなったガソリンスタンドでの充電サービス実証事業」において、「採算は取れない」と発表したばかり。)も、台数さえ確保できれば採算ラインに乗るハズ。
(狙い目は、設備の更新時期に来ているLPG充填ステーションらしい。)
というか、今回の「EVタクシー」を運行している日本交通さんによれば、

LPG車の年間燃料コスト150万円を下回ることができれば、代替でEV車を選択する
とのコトなので、このハナシ「まるっきりの絵空事」でもないだろう。
(ま、プライベーターレベルでは、「腹下に200キロのバッテリーを格納する仕組み」がこんどはネックになりそうだが。)
ちなみに、来年2011年には、ルノーから「フルエンスZE」というベタープレイス社のバッテリー規格に対応したEVセダンが発売されるらしい。

容量17kwhで、160キロ走行可能なバッテリー。
その普及に期待する、今日この頃なのである。
(ご家庭の電気料金の請求書を見ると、それがどれくらい「オトク」かは、容易に分かるハズ。)

ああっと、そんなベタープレイスの社長、藤井さんが書いた「グローバルイノベーション」という本が、6月4日に発売になるらしい。
ベタープレイス・ジャパンの創業にまつわるエピソードらしいので、本屋さんで見かけたら手にとってみて頂きたい。(棒読み)