最悪、教員免許をとって教師になるつもりです
知り合いのお嬢さんはフリーター。
派遣会社からスポットで入る仕事を引き受けては、お小遣いの“足し”にしている。
と、思っていたら、
なんと大学の4年生だった。
え!?じゃあ就職活動とかは??
なのだが、何社か面接を受けたあとバカらしく虚しくなって、就職活動そのものを放棄してしまったらしい。
卒業後も、なんとなくこうして派遣会社から仕事貰っていれば、暮らしていけると思ったそうだ。
えっと、・・・大学はどちら??
その問いに、「埼玉のほうの・・・」と答えた彼女。
東京近郊で“埼玉のほうの大学”といえば、ピンと来る人も多かろう。
もちろん“県立大学”ではなくて私立の“アレ”だ。
あの大学では・・・
就職活動自体がバカらしく虚しくなるのも容易に想像がつく。
“大学卒業だから就職しなくちゃ”が動機の就職活動なんて、10も書類で不採用とされれば、以後のモチベーションが続くワケがないのである。
書類で、何故(不採用)?
字を丁寧に書きましょうとか、志望動機に欄を文字で埋めましょうとかあるが、こちとら数十の会社に履歴書を提出しなければならないのである。
ワープロ作成の履歴書で、何の問題があろうか。
そのほうが、よっぽど合理的
なのだが、“履歴書は手書きで書きましょう”ってのが、日本におけるビジネスマナーだと偉そうに書いている指南書が大勢を占める世の中であるので、何社も落ちていくうちに“手書き”に改めるのが“人間”というものだろう。
だいたい、“求人”が出ていたから応募したというのに、何で“志望動機”が必要なんだろうか。
働き手が欲しい、職に就きたい。
互いの利害が一致すれば成立する契約なのだから、ソコになにも理由付けなど、・・・と思うのだが、“ボクが御社に入社したら”という夢作文を語らせられる風潮も、もはや変えようのない定番メニューとなってしまっている。
だいたい、“企業”に採用する気はあるのだろうか。
この不景気な時代に、ジサマトッツァンの類をバシバシ追い出している企業が、である。
優秀な人材だったら、大いに採用したい
企業の人事担当者はそう言うだろう。
“即戦力”で、バシバシ稼いでくれる人材なら、である。
学生の側にも問題はある。
講談社の「現代ビジネス」というサイトに、「秋なのに「就職が決まらない」大学生だらけ・東大、早慶も大苦戦「日東駒専」「大東亜帝国」は悲惨」という記事が掲載された。
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/1136
長い記事なので、その1ページ目だけを転載するが、
この時期に内定がなければ、就職はかなり厳しい。就職浪人をするか、卒業してフリーターになるか、決断しなければならない。人生のスタートでつまずけば、その先はとても厳しいものになる。“大学院”というのはいつから、就職浪人生の“受け皿”となったのであろうか。両親の方がノイローゼに
「東大生の場合、それなりに名の通った大手企業以外は、親や周囲の手前、またプライドのせいで受けにくいという暗黙の縛りがある。『大手病』というヤツです。僕も昨年はそれで失敗した。留年した今年は初めて名前を聞いたような企業も受けましたが、全部ダメでした。今は大学院への進学を考えています」(東大文学部4年男子)もう秋がそこまできているというのに、就職が決まらず頭を抱えている学生がちまたに溢れている。読売新聞社が国の調査と独自調査を合わせて推算した'09年度新卒の就職浪人数は約11万人。内訳は、就職が決まらないまま卒業する学生が3万1000人、就職が決まらないため留年を選ぶ学生が7万9000人だ。
卒業予定者56万8000人のうちの11万人だから、ほぼ5人に1人が就職浪人ということになる。これに前年度以前の就職浪人を加えたら、浪人の数は数十万人単位になる。いつ暴動が起きてもおかしくないほどの数字なのだ。
「今年は昨年に比べて、より厳しい。ウチで取っているデータでも、去年の同時期よりひどい数字が出ています」(就職情報サイト担当者)
こうした状況だけに、学生から聞こえてくるのは悲鳴ばかりだ。慶応大学経済学部の4年男子が言う。
「不動産デベロッパーを中心に20社強受けましたが、内定はゼロです。最終面接まではいったんですが、落とされました。コミュニケーション能力をうまくアピールできなかったのが敗因だと思っています。知り合いの中には80社受けても内定がもらえず、大学院進学を選んだ人もいます。
慶応経済の場合、ゼミに入れた人はほぼ内定をもらえるんです。ただ、ゼミの数が圧倒的に足りなくて、学生の4割はゼミに入れずあぶれている。そうした学生のうちのさらに3〜4割が今も未内定で、僕もその一人です」
一橋大学社会学部の4年男子は、30社前後を落ちたあと、就活そのものをやめたという。
「就活ではどうも『世の中をナメている』と思われたようで、ことごとく面接で蹴られました。受けているうちに自分はサラリーマンには向いていない気がしてきたので、大学院に進むことにしました。その後はライターを目指すか、最悪、教員免許をとって教師になるつもりです。
危機感は両親のほうが抱いていて、今、ノイローゼ気味なんです。僕は兄弟では一番できがよかったのに就職が決まらないものだから、自分たちの育て方が悪かったのかと悩んで、僕に内緒でカウンセリングに通っているみたいです」
立教大学でも、校舎の前には、「4年次生」向けの面接対策講座の立て看板があった。キャリアセンターには学生が途絶えることがない。
センターの張り紙には、「就職が決まらないまま卒業された方へ」とある。未内定者のための職業訓練とその間の生活費補助の案内だ。センターの担当者は語る。
“大学院卒のフリーター”イコール“これが格差社会”みたいなハナシも時々出るが、当たり前だ。
“就職できないから院に”なんて考えのヤツラが、毎年大量に生産されているのである。
ちなみに言っておくが、“大手”を受けて落ちたヤツが、“聞いたこともない中小”を受けて採用されるハズがない。
落ちたのは当人に問題があるからであって、企業の大小には関係しないのである。
その一端が、“今は大学院への進学を考えています”という最後の一語に垣間見える。
ソコんとこが分かるまで、履歴書を送り続ける努力が必要なんだろうが、・・・
そういう“努力”とか、“根性”とか、“カラダで覚える”みたいな話は、“個性尊重”なんてコトバで中途半端にアメリカナイズされた教育を受けた彼らには、到底理解のできないコトなんだろう。
就職活動も、受験と同様“テクニック”だと思っている。
清潔感のある髪型にしなさい
白シャツに黒スーツを着なさいでもそれだけでは足りない。
スーツ姿を引き立たせるには、“磨き上げられた靴”が必要であって、“腕時計”も身だしなみの1つ。
「時間はケータイで見るからイイ」では、面接でポイントを得られないのだ。
ネクタイだって、“プレーンノット”で済ませてはいないだろうか。
“プレーン”は確かに簡単だけれど、初心者が結ぶと、だらしなくなりがちである。
“曲がっている”、“ゆるい”。
「ただ巻いてあればイイ」では済まされないのが、“ネクタイ”なのである。
そういう視点でみると、街を歩く就活生の姿の、なんとだらしないことか。
そういう姿勢が、履歴書にも現れている。
だから受からない。
もう少し前向きに、“不採用”について考えてみるべきだと思うのである。
で、最後に、一番気になったコトバを1つ挙げておく。
自分はサラリーマンには向いていない気がしてきたので、大学院に進むことにしました。その後はライターを目指すか、最悪、教員免許をとって教師になるつもりですワタシの従兄にも1人、“教員”をやっているヤツが居る。
40近くもなって、未だ独身、実家暮らし。
いや、“独身”も“実家暮らし”も別に悪いコトではないのだが、まぁ常識のないヤツでね、コイツが。
人に家に来ても、挨拶ひとつできない。
メシだけはいっちょまえに食らって、あと寝てやがるのよ。
で、コイツに会う度に思うのが、
こんなのに教えられた“教え子”って、悲惨だな
というコト。
そりゃそうだ、コイツもたしか、就活に失敗して、“ついで”に取っておいた教員免許で臨時職員に採用されて、「今じゃ本採用」の組。
最悪、教員免許をとって教師になるつもりのその“サイアク”を具現化したものなんだな。
もう一人、大学の一年生で、“教師を目指してる”っていう姪っこが居る。
中学の頃から成績優秀。
高校は“特別枠”で入って、今じゃ教育大学の一年生。
まぁ、“優等生”を画に描いたようなコなんだけどね、・・・
思うのよ。
“教師”って、そうまでしてなるものか?
ってね。
あれは、大学4年間をキッチリ遊んで、そいでもって“院”に行く器量もなかったヤツがなるもの、目指してまでなるものではない、ってね。
そんなワケで、こんど