カーナビ症候群

岩槻に住んでるけどな、オレは4と16は使わない

なんてなコトを自慢げに言ってるオッサンがいた。
もちろんこの場合の「4と16」は“国道4号線”と“国道16号線”のことである。

自慢できることかどうかはともかく、・・・

よくもまあ年中混んでいるあの道路に、毎日並べるもんだとつくづく思う。
毎日通る道ならば、抜け道の1つも探してみろよと思うのである。

でも、あれか、“ナビ”がそう言うから、変えられないのか、進路。
迂回ルート検索機能だ何だ言っても、結局幹線道路からは外れられない
それが、“カーナビ”ってもんじゃないのだろうか。

オレが使ったことのある“ナビ”が安物だからか?古いからか?
でも、レンタカーに付いてるカーナビって、そんなレベルだぞ、最新でも。

ウチの愛車には“ナビ”がない。
変わりに“地図”が積んである。
なので我が家では、この地図のことを“ナビ”と呼んでいる。
これに慣れてしまうと、カーナビの“使いにくさ”を痛感するのである。

カーナビは便利である。
第一に、現在地が正確に表示される
GPS測位である。

地図上で自分の位置が分からなくなることを“ロスト”と呼ぶが、カーナビには“ロスト”というのは基本的にない。
常に現在地がセンターに表示されるのである

それに、地図をクルクル回す必要もない
勝手に進行方向に合わせて地図を回してくれる。
地図の読めないご婦人にはさぞ助かる機能だろう。

しかしこの2つが、カーナビ最大の欠点と言うこともできる。

現在地が自動表示である。
このため、ドライバーは“現在地”について無頓着になる。
無頓着になるから、自分がドコを走っているか把握していないのである。

周囲の景色に気を配らず、ひたすら全走車を追走するのみ。
そりゃ、「道」も覚えられるハズがないのである。

そして、地図が向きを変える。
上を北に固定する機能も付いているが、誰も使っちゃいない。
このほうが見やすい」のだそうだ。

地図がクルクル回るから、ドライバーは自分がどちら向きに走っているか認識していない。
言われるままに走るだけ、なのである。
(そりゃ渋滞してても気にならないワケだ。)

主要幹線というのは、概ね東西南北どちらの方向かに向いているものだ。
環状7号線や国道16号など、皇居を中心とした環状線をなすものもあるが、あれだって局地的に見れば南北か東西かどちらかの方向を向いているのである。

で、そういった主要幹線というのは、その選びやすさからルート選定でも多用されるので、往々にして渋滞が多い
交通量が増えれば増えるほど集中して、機能が麻痺するまで続くのが常である。

首都高速”ともなればその傾向は顕著になり、「三郷から竹橋まで120分(一般道を選べば、同時刻でも1時間掛からない)」とか表示が出ているのに、みんな素直にその列に並ぶのである。
素直に並ぶだけならそれでもいいが、皆一様にイライラいている
これじゃあ、事故起こして下さいと言っているようなものなのだ。

こういう時の抜け道の選定方法は、斜めに走ること。
主要幹線の間を南西や北西方向に走る道路を選ぶことで、渋滞を回避できる場合が多いのである。

つって、この“ナナメ”という感覚は、“上を北に”固定している地図ならではのもの。
進行方向に合わせて地図を回してしまうカーナビでは、“ナナメ”は理解できないのである。

とはいえこの渋滞回避対策も、大多数のドライバーが“カーナビ”を利用していればこそのもの。
みんなが地図を併用してしまえば、抜け道がかえって混んでいたなんてコトになり兼ねない。

そんなワケで、常にマイノリティでありたい今日この頃。
世間ではそういうのを、“変わり者”と言うというそういうハナシである。

今日も渋滞、お疲れ様。