『食い逃げされてもバイトは雇うな』

食い逃げされてもバイトは雇うな――会計の数字がうまくなる
あの有名牛丼屋チェーンに食券機がない理由
書店の店頭に貼られたポスターに釘付けになった。
著者は「山田真哉」。
山田真哉と言えば、そう『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』。
ようやっと思い出した。

『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』は、そのキャッチーなタイトルにより売れるくらい売れた本だが、その書評は散々なものだった。
副題を「身近な疑問からはじめる会計学」と銘打っておきながら、「肝心の会計学について何らのアプローチがない」。
そもそも主題「さおだけ屋」についても記述はわずかで、肝心の「なぜ潰れないのか」については最後まで明記されていない、というもの。
それで、今回の『食い逃げ』の目次を追ってみると、

◇はじめに 数字は、99%の意識と1%の知識
◇イントロダクション 「Web2.0」「ゲド戦記」がすごい本当の理由――数字のルールはたったの4つ
    数字がうまくなった瞬間
    ルール?数字には「順序がある」
    『ゲド戦記』がすごい本当の理由
    ルール?数字は「単位で意味を固定する」
    ルール?数字は「価値を表現できる」
    ルール?数字は「変化しない」
    数字の暴力性
◇第1章 今日は渋谷で6時53分――数字がうまくなるための技法
    印刷所が7時49分と指定した理由
    若者は3年では辞めない?
    科学って100%真実じゃないの!?
    言い切ってしまう説得力 <決めつけ>
    裏切ることでインパクト <常識破り>
    わかりやすく理解しやすい <ざっくり>
    「人生には大切なフクロが3つあります」
◇第2章 タウリン1000ミリグラムは1グラム――ビジネスの数字がうまくなる
    神話のカラク
    「0円」広告はなぜ多いのか?
    中小企業でも、トヨタソニーに勝てる
    ノルマなんて怖くない!
    キャンペーンはお金よりアイデア
    数字の錬金術
    単位は「土俵」
◇第3章 食い逃げされてもバイトは雇うな――会計の数字がうまくなる
    旅行に行きたい妻、行きたくない夫
    数字をありのままに見る
    金額重視主義
    食い逃げの多いラーメン屋
    どっちが損か? 秤にかける
    あの牛丼屋にはなぜ食券機がないのか?
    節約しているはずなのにお金が残らない理由
    古本屋はなぜ潰れないのか?
    利益を出すための唯一の方法
◇第4章 決算書の見方はトランプと同じ――決算書の数字がうまくなる
    目をつぶって適当に株を買ってみた
    株の法則がデタラメな理由
    株の勉強は無意味
    それでも株をやる理由
    株で儲かる確率は?
    決算書でなにがわかるのか?
    やっぱり割り算は「キング・オブ・分析」
    倒産危機、さらに隠された秘密が……
    だから大阪はあかんねん
◇「あとがき」というか「なかがき」というか解説
◇ミニミニ会計セミナー
やっぱり今回も、キャッチーなタイトルについて書かれた部分はほんのわずかの様である。

なら買わなきゃいいぢゃん。

なのだが、食い逃げされてもバイトを雇わない経営哲学と、吉野家が食券制でない理由については、書いてあるなら非常に読んでみたい。
著者は、内容はともかくネーミングについてピカイチの才能があるらしい。
そんなんでも735円の本が154万部も売れるんなら、それはそれで凄いコトなんだろうけど、定価で買って前作同様だととっても悔しい。
夏になったら、古本屋で探してみようと思う。

食い逃げされてもバイトは雇うな
700円 / 山田 真哉著